とうちゃんとユーレイババちゃん

藤澤ともち「とうちゃんとユーレイババちゃん」(講談社)を読んだ。
touchanntoyuureibabachan
六年生のぼくの家族は、母さんととうちゃんとババちゃん。
でも、とうちゃんは、父親じゃなくて、母さんのお兄さん。なまえが透也だから、とうちゃん。
ババちゃんは、2年前に死んじゃってて、ぼくだけが見える幽霊。
ぼくととうちゃんは、顔がそっくりだから傍目からは親子に見えるらしい。
とうちゃんは、おならばっかりしているし、下ネタが好きだし、お酒に酔っ払う。
おまけに惚れ症だ。
今度の相手はお弁当屋の鈴木さん。
クラスの鈴木くんのお母さんだ。

とうちゃんの恋物語と
ぼくの友情物語と
ちょっとだけ母さんの再婚の話。
全体的にほんわかしてて、安心して読めた。
ストーリーがわかりやすく
ぼくの心情もいかにも6年男子。
文章もうまいので、一気に読了。

佐藤真紀子さんの描いた鈴木くんを見て
「おおっ、これはモテる」と思った。
佐藤さんの描く少年は、逸品。
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なまけてなんかない!

品川裕香「なまけてなんかない! ディスレクシアの男の子のはなし」(岩崎書店)を読んだ。
namaketenankanai
りんちゃんは一年生。
運動も得意。絵本も好き。友だちに優しくだってできる。
でも、字の勉強が始まって、あれ? と思う。
どんなにがんばっても、字が覚えられない。
「もうすこしがんばろうね」っていわれてしまう。
でも、ちがうのだ。
努力がたりないのではなくて、りんちゃんは、「ディスレクシア」なのだ。

ディスレクシアとは、知的には問題がないのに
読み書きがスムーズにできない状態を指す。
脳の情報処理の仕方が、一般の人とちがうらしい。
わたしが、ディスレクシアを知ったのは、10年ほど前、「光とともに」という漫画でだ 。
文字の形が認識できないというこどもが出てきたのだ。
ほかのことは、なんでもできるのに、
この障害のため、ともだちからはバカにされ続けていた。

ADHD、自閉症、アスペルガーなどは、
近年、世間によく認知されてきたが、
ディスレクシアは、まだあまり知られていない。
自分の子がどうして字を覚えられないのか、悩んでいるおかあさんもいるかもしれない。
こういう絵本が出版されることで
ディスレクシアを知る人が増えていくといい。
知らなければ、手助けをすることもできないのだから。

夏の推薦図書

この前、作家が書店さんにできることはないかとブログに書いたら
編集者さんが「心からお礼を言うことですね」と教えてくださった。
おお、お礼に行っていいわけですね。
てことで、早速、お礼にいってみた。

まず、イオン大高店の未来屋書店さん。
この前、パネルが貼ってあるところとか、
本が平積みされているところとか見ていたが
行ってみたら、それだけではなく、入り口に「先生、しゅくだいわすれました」がど~んと積まれていた。
今年も夏の推薦図書にしてくださったのだ。
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横から見るとすごい!(売れるのか?)
児童書担当の書店員さんがいらしたので
「いつもお世話になっております。ありがとうございます」とご挨拶。

もう1件どうしても行きたい場所があった。
アピタ大府店の「えみたす」さんだ。
ここは、「先生、しゅくだい」も「神隠しの教室」も平積みしていてくださる上に
「ポケネコにゃんころりん」が、10巻までそろっているのだ。
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ただ、残念ながら児童書担当の方は、すでにお帰りになっていた。
ほかの書店員さんに「よろしくお伝えください」と話してきた。

こういうことができるのは
童心社の販売のOさんが、いい方で、
「作家のくせに余計なことを」なんていわないからだ。

作家の皆様の中には「作家が営業みたいなことして」といわれる方もいるかもしれないが
別に作家は机にかじりついていなくちゃいけないわけじゃないし
わたしが出向くことで、なにかプラスの効果があるのなら
ほいほい行っちゃうよ、わたしは。
学校だって、図書館だって、行きますよ。


そろそろ夏の読み物が決まる時期だ。
「神隠しの教室」は、学校図書館協議会の第50回「夏の本(緑陰図書)」に選んでいただけたそうだ。
「夜間中学へようこそ」も、いくつかの推薦にいれていただいている。
(発表していいのかわからないので、内緒にしておきますが)
「先生、しゅくだいわすれました」は、出版以来、いろいろなものに選んでいただいている。

この夏も、わたしの本たちが、いろいろな形で
様々なこどもたちの元にお邪魔させていただくのが楽しみだ

あじさいの里(形原温泉)

車で1時間ほどのところにある形原温泉の「あじさいの里」に行ってきた。
3年前にも行ったのだが、6月の終わりで、
公開の最終日だった。
今回は、おそらく真っ盛りのはず。

そう思ったのは、わたしだけではなく
世間の人はみんなそう思っていた。
思った以上の渋滞で、目の前には観光バスも何台も並んでいる。
駐車場はそんなに広くないので、車がおけるかどうか気になった。

ただ、形原温泉が、かなり鄙びた温泉街ということが功を奏し、
「あじさいの里」へ着くまでの道にあるホテルの駐車場にはいれるようになっていた。
あじさいの里の駐車場料金300円に比べると200円ほど高いが、置けるに越したことはない。
500円くらい払えますよ、山本家。

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入場門をはいるとすぐに、斜面いっぱいのあじさい。
色とりどりで、見事としかいいようがない。
「あじさい」と一口に言うけれど
色も形も、ほんとうに様々だ。
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これは「ポップコーン」という名前。花びら(ではないらしいけど)がくるんと丸くなっていて、かわいい。

以前ここで買った「ダンスパーティー」という種類のあじさい、
今回改めてみてみると、
うちの貧弱ダンスパーティーとは大違い。
みんな大ぶりで、華やかだ。
こうでなければ、名前負けだ。
うちのあじさい、ものすごくかわいそうなことをしてるのかも。

と、今回は花ではなくて肥料を買ってきた。

今回、園内を散策していて、気づいたのは、
日本語じゃない言葉が、いきかっていること。
おそらく来ていた人の三分の一くらいが中国の人なのじゃないかと思った。
たくさんの観光バスの何台かは、中国の人たちを乗せた団体旅行ツアーだったにちがいない。

「日本のあじさいはきれいだ」と思っていてくれるといいな。

トンチンさんはそばにいる

さえぐさひろこ「トンチンさんはそばにいる」(童心社)を読んだ。
tonchinsan
ひなたのクラスのゆうくんは、さっと見ただけで服の水玉の数がわかる。
雲一つない空を眺めて、もうすぐ雷が鳴ると当てられる。
ふしぎでたまらないひなたがゆうくんにたずねると、
ゆうくんのそばにはいつも「トンチンさん」がいて教えてくれるという。
ゆうくんは、勉強が苦手で
おしゃべりもじょうずじゃない。
「バカ」とか「じゃま」とか言われても、頭を揺らしたり、手を空に広げたりするだけだ。
それでいい気になって意地悪をする子がいる。
ひなたは、たまらなくなって……。

ここ十年くらいで、発達障害についての理解は、かなり深まってきていると思う。
でも、それは、おとな目線であって
実際、発達障害のある子たちと生活しているこどもたちは
「あの子、へん」「かわってるね」という思いは消せないでいる。
なかなか個性として受け入れることは、難しい。
このお話に出てくる石川くんのように、意地悪な気持ちになってしまう子もいる。
「みんなちがって、みんないい」は、そんなに容易なことではない。

ひなたとまおちゃんは、何も構えることなく、ごく自然に、ゆうくんの思いに触れる。
そして、トンチンさんと同じように、ゆうくんのこころによりそっていこうと思うのだ。

最後まで読んで、じんわりと心が温かくなった。
なんて優しいお話だろう。
こういうの、世界中の子に読んで欲しい。
プロフィール

yamamoto etsuko

Author:yamamoto etsuko
「先生、しゅくだいわすれました」「がっこうかっぱのイケノオイ」「ポケネコにゃんころりん」シリーズ、「テディベア探偵」シリーズ、「夜間中学へようこそ」「神隠しの教室」などの著書を持つ児童文学作家。愛知県半田市在住 児童文学同人誌「ももたろう」同人、児童文学者協会会員 JBBY会員
〔家族〕 夫 息子その1(人間) 息子その2(人間)、息子その3ルウ(トイプードル) 息子その4モカ(トイプードル)

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