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今年もお世話になりました

きのうから二日がかりで大掃除をし、
お正月用に料理を作り
なんとか年が越せる状態になりました。

今年は、1月に「テディベア探偵 18年目のプロポーズ」(ポプラ社)を
5月に「夜間中学へようこそ」(岩崎書店)を
10月に「神隠しの教室」(童心社)を上梓することができました。
「夜間中学へようこそ」と「神隠しの教室」は、どちらも長編で
大人が読んでも読み応えのある作品となったと思います。
デビュー20年目にこの2冊を出すことができ、本当に幸せでした。

また、「先生、しゅくだいわすれました」(童心社)が
2016年のホワイトレイヴンスに選ばれたことも大変心に残っています。

仕事面ではいいことばかりでしたが、
4月に義母が
5月に末吉暁子先生が亡くなったさびしい年でもありました。

年々、周囲でガンなどの病気になったり
亡くなったりする人が増えてきました。
そのたびに、自分の健康面や、人生をふり返り
悔いのない生き方をしよう、
今できることを精一杯していこうと思います。

今年もたくさんの方々にお世話になりました。
心よりお礼申し上げます。
どうぞ、来年もよろしくお願いしいたします。
喪中につき、新年のご挨拶は控えさせていただきますが
皆様のご多幸をお祈りいたします。
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車夫2

いとうみく「車夫 2」(小峰書店)を読んだ。
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両親の出奔によりやむなく高校を中退し、浅草で観光の車夫の仕事についた吉瀬走とその周囲の人々の物語の第2弾。
前回同様、語り手の変わる短編が6話。
吉瀬のかつての同級生たち。
同じ車夫として働く仲間。
余命幾ばくもない妻と人力車に乗る男性。
かつて、人力車に乗った女子高生。
そして、最後に、走は、自分をすてて男と逃げた母親と会う。

1と比べると、走がずいぶん成長したことを感じる。
どの物語も短編なのに、重みがあり、胸に沁みる。
いとうみくの巧さを改めて感じた。

これは児童文学でもYAでもなく
れっきとした大人の文学だ。
この人は、いずれあさのあつこのように大人の文学の担い手となっていくのではないか。


現在、SMAPロスの真っ最中。
覚悟はしてたけど、なんだか力が入らない。

いい年してなにを言ってるんだとわらわれそうだけど
長い間
本当に長い間、元気をもらっていたのだ。
職場に行きたくない朝、車の中で何度聞いただろう。

いろいろあって、考えに考えての解散だろうし
なにもいうことはないけれど
この先5人がわらって過ごせますように。
わたしは、ずっとSMAPのファンでいると思う。

桜風堂ものがたり

村山早紀「桜風堂ものがたり」(PHP研究所)を読んだ。
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百貨店の中の書店に勤める一整は、万引き常習犯の少年をつかまえようとした。逃げようとした少年は、車にはねられてしまう。
一命は取り留めたものの、少年を追い詰めた一整は、批判にさらされることになる。
一整個人だけではなく、書店も、そして百貨店までも批判の渦に巻き込まれそうになったとき、一整は店をやめる。
学生時代から、書店でアルバイトをし、書店員の仕事が誰よりも好きだったのに。
家族もなく、大好きな仕事もなくし、生きていく気力さえ失いかけたとき、一整は、一件の古い書店をたずねることを思いつく。

村山早紀は、書店に勤めていたのかと思うほど、
書店での業務や、そこにと勤める書店員さんたちの思いが詳細に書かれている。
後書きを見て、わかった。
作者は、全国の書店員さちと繋がりを持ち、
あらゆる場面で「こういうとき書店員さんの行動としてはどうするのか」を教えてもらっていたのだ。
書店の人たちが、なぜ協力していたかといえば
村山早紀の作品が好きだということもあるだろうけれど、
村山早紀の書店愛を感じたからだろう。

ここに出てくる登場人物は、みな、心に傷を持っていたり、
忘れられない後悔をかかえていたり
取り返しのない過去をかかえていたりする。
でも、どの人物にも、その人のことを気遣っている人がいる。
その人に直接声はかけなくても、その思いは、まるで風のように日差しのようにそっと届くのだ。

とても優しい物語だった。
700枚あるらしいが、気がつくと読み終えていた。

指切りは魔法のはじまり

富安陽子「シノダ! 指切りは魔法のはじまり」(偕成社)を読んだ。
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人間のパパ、由緒正しい狐のママをもつ信田家のシリーズの第10巻。
今回の物語は、人間以外のものの言葉を聞くことの出来る「魂よせの口」をもつ末っ子のモエが、秘密をもったことからはじまる。
「秘密を守らなかったら、かえるのお口」になるという呪いをかけられたモエ。
秘密をしゃべってしまってもモエはカエルの口にはならなかったけど、モエにキスされた鬼丸おじいちゃんが、カエルに!
「カエルの口」とは、キスしたものをカエルにしてしまう口らしい。
「不吉なことがおこるよ」と告げにきたホギおばさんも、カエルに。
モエに呪いをかけたのはだれ? そしてどうやったら呪いは解けるのか?

シノダシリーズ、瞬く間に10巻まできた。
もうそろそろネタが尽きたって不思議ではないのに
全然勢いの衰えない面白さだ。
今回は、懐かしい登場人物が姿を現す。

そして、なんと後書きを見ると
このシリーズ、まだこれからも続くらしい。
10巻だから区切りのいいとこで、なんてことはないみたいだ。


さて、わたしは、ここで書き手として、一つ知りたいことがある。
「時間を止める」のは、どうしたらいいのだろう。
このシノダのシリーズ、1巻目から三人の子どもたちは同じ年齢だ。
四季がうつっても登場人物の年齢は変わらない。
人気のシリーズはたいていそうだ。
サザエさんも、ちびまるこちゃんも、ドラえもんも。
前に「ポケネコ」を書いているとき、先輩の作家さんから
登場人物の時間を止めた方がいいとアドバイスをいただいたが
どうしても不自然になってしまい
登場人物は、5年生から6年生になり、卒業してしまった。
今度もし、シリーズ物を書くことがあったら、是非、時間を止めたいと思っているが
自然に止める秘訣があったら、是非、教えて欲しい。

あなたのとなりにある不思議

児童文学者協会編「あなたのとなりにある不思議」(ポプラ社)の1,2巻を読んだ。
tonarihusigi12
幽霊が出てくるような怖い話が多いのかと思ったら、全然そうではなかった。
奇妙な世界に入り込んだようなショートストーリー。
ただ怖いというのとはひと味ちがう。
一話が短いから、朝読むきかも。

それぞれの巻に、8人の作家と2作の公募作品が収められている。
この公募、2作×5巻、つまり10作募集したらしいが
ものすごい数の応募があったらしい。
だから、選ばれた作品もかなりのレベルだ。
原稿依頼された作家の方は、すごく豪華だ。
これだけ有名どころを集められたのは、児童文学者協会だからだろう。

3巻は、1月に刊行予定。
実は、わたしの作品も入れていただいている。


昨日は、名古屋の久屋大通公園で行われているクリスマスマーケットに行ってきた。
hiyasaoodoori
本当は夜に行くときれいなのだけど
夕方には息子たちのお散歩がまっているので、昼間に行った。
お店がたくさん出ていた。
ドイツの料理のお店ばかりで、スープやパスタのお店、ソーセージやドイツの郷土料理、
ホットワインやビールのお店などあった。
hotwaine
これは、ムール貝のスープ煮、チーズロスティとフライドポテト、ジャーマンソーセージ、グリューワイン。
シートに覆われたテーブル席もあったが、昨日は暖かかったから、外のテーブルで十分だった。

久屋大通公園の周辺は、たくさんの大きなお店に囲まれた繁華街。
若い頃なら、一日中遊んでいられたけど
「早く帰らないと洗濯物がしけっちゃう」「わんこの散歩が」「夕ご飯の支度が!」
そしてなにより、「疲れてきちゃった~」
で、3時半過ぎには、そうそうに帰路についた。

セカイの空がみえるまち

工藤純子「セカイの空がみえる町」(講談社)
sekainosoragamierumachi
父親が行方不明になり母親と二人で暮らしている空良(そら)。父親の失踪の原因が自分にあると悩んでいる。
まちがえて降りた新大久保で、空良はコリアンタウンの存在を知る。
そこで目にしたヘイトスピーチに気分の悪さを感じる。
その新大久保のアパートで暮らしているのが同じクラスの翔(かける)だ。
翔は、様々な国の人々が生活しているアパートで、みんなにかわいがられているものの、自分の母親がだれで、何人なのかすら知らない。翔は、野球部のライバルや顧問から露骨な嫌がらせを受けている。
空良と翔の距離は、ふとしたきっかけで近づく。

おもしろかった。
工藤純子、うまいなあと感心した。
小学生向きのものを書く作家だと思っていたが、YAもこんなにおもしろいんだ。

さまざまな社会問題などもおりまぜ、考えさせられる場面も多かった。
二人が成長していく過程も鮮やかだ。
しかし、私的には、この二人のラブストーリーにどきどきした。
翔くん、かっこいい!

オレ さすらいの転校生

吉野万理子「オレ、さすらいの転校生」(理論社)を読んだ。
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オレ、曲角風馬は四年生にして、10回の転校を経験している。
今回11校目に訪れた学校は、競歩に熱心な学校だった。
競歩のルールも知らなかった風馬だが、運動神経の良さと恵まれた体格でめきめき上達する。
ライバル校との競技会の選手にも選ばれる。
風馬のクラスには、祖父の死以来言葉を話さなくなったサクラがおり、
競技会で優勝して、サクラにもういちど話すようにさせたいとみんなで計画する。

競歩は、うっすらとわかる程度で、歩き方など、ほとんど知らない。
わたしも(きっと多くの読者が)、風馬と同じ気持ちになって、勉強した気分だ。
思わずソファから立ち上がって、歩き方を確認してしまった。
体幹云々のところでは、自分も腰をくねくね動かしたり、首を曲げたりして
なるほどねえ……と感心した。
風馬がとってもいいヤツだし
ほかの登場人物も好感の持てる子ばかりだ。

ただ、疑問だったのはなぜ4年生だったのかだ。
表紙の絵は、高校生みたいだ。四年にしてはゴリラのように大きい子らしい。
だが、ほかの子もどうみても4年生には見えない。
会話も、かなり大人っぽい。
4年生の胴上げなんて、絶対危険だ。
中学生にすると、部活動との兼ね合いとかあるかもしれないので
6年生にしてもよかったのではないかと思った。
わたしにはわからないけれど、4年にしないといけない理由があったのかもしれない。

いろいろ気になって理論社のHPを見たら
「転校生ならではの最初の挨拶のコツなど、転校生あるあるも盛り込み、転校する子どもにも、転校生を迎える子どもにもぜひ読んでほしい1冊! 昭和感あふれる古風な主人公は、まさに小学生版寅さんです! 」
とあった。「転校生のハウツー物」なのかな?
わたしは、素直にストーリーがおもしろかったけど。
昭和感……あふれてたかな? スマートなかっこいい男の子だったけど。
「さすらいの転校生」という題名は「小学生版寅さん」を目指していたんだろうか?
ってことは、今後もいろいろな学校をさまよい
寅さんのように、人の心を和ませ、問題を解決していくのかな。

お話を読む限り、風馬は、ビーズ細工に熱心な学校ではビーズ細工に励み
ニワトリが50羽いる学校や、全校児童7人の学校でも
その学校の風習に溶け込み、暮らしてきたらしい。
だったら、いろんな学校に行って、いろんな体験をしてきてもたのしい。

ぐるぐるの図書室

工藤純子・廣嶋玲子・濱野京子・菅野雪虫・まはら三桃「ぐるぐるの図書室」(講談社)を読んだ。
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2006年にデビューした5人の作家によるアンソロジー。
全作が、図書室での不思議な話。
それぞれの主人公は、図書室のとびらに貼られた茜色の張り紙に吸い寄せられ、図書室に足を踏み入れる。
張り紙に書かれたことばが、それぞれちがう。
「後戻りしたくてしょうがない人は、放課後、図書室にきてください」とか「家に帰りたくない人は、放課後図書室に来てください」とか。
図書室のとびらをあけると、そこには、髪の長い、白いワンピースの女の人が立っている。今まで見たことのない人だ。
その人は、それぞれの子どもたちに、本を探させるのだ。そして、その本を探し出し、開いたとき、子どもたちは不思議な世界に引き込まれる。

5つの物語は、どれもおもしろく
どれもそれぞれの作家の個性が出ている。
そして、5つの物語は、それぞれ、ほんの少しずつ関わっている。

この企画は、どんな流れで出てきたのだろう。
物語の基本。図書室のふしぎな張り紙、不思議な雰囲気の女性、不思議な世界へ、というのは5人で相談したのかなあ。

本の最後に5人の対談が出てていて興味深い。

それにしても2006年には、すごい作家が5人もデビューしたんだな。

4年2組がやってきた

野村一秋「4年2組がやってきた」(くもん出版)を読んだ。
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にじ組のマー君は、脳性マヒで、しゃべれないし、歩けない。
給食もトイレもひとりではできない。
にじ組はたったひとりなので、いつも担任の井上先生と二人きりだ。
そんなマー君のクラスに4年2組が交流に来ることになった。
いっしょにゲームや音楽をしようといってくれるし、マー君もはりきっているのだが
そういうときにかぎって、からだがうごかなくなってしまう。
参観日に4年2組とマー君といっしょに『スマイルアトラクション』をすることになるのだが……。

これは、作者の小学校に勤務している奥さんが、実際に体験したことを元にしているそうだ。
「学校で感動的なことがあったら、お話にして」と言われたのだそうだ。
作者自身も元教員だ。

こういうお話を書くときは
普通学級にいる子の視点で書くことが多い。
その方が、作者も書きやすいし、こどもにも伝わりやすい。
しかし、このお話の語り手は「マー君」だ。
ただし、マー君は話せないので、心の中での語りになる。
ちょっと新鮮な視点だ。

ラストは、本当に感動的だ。
物語の「語り」の部分は創作だが、
この部分は、本当にあったことらしい。

ちょっと泣けてしまうかもしれないけれど、是非読んで欲しい。

Hさま

Hさま

返信コメントありがとうございました。
やっぱり作家さんだったんですね。
童心社の担当編集者さんに話したら、以前名刺交換をしたことがあるとおっしゃってました。
読んでいただけて、しかも感想までいただけて
大変うれしいです。 ありがとうございました。
Twitter、フォローさせていただきました。
わたしもHさんの御本、楽しみにしています。
また、コメントをお寄せくださると、励みになります。
プロフィール

yamamoto etsuko

Author:yamamoto etsuko
「神隠しの教室」(童心社)で、第55回野間児童文芸賞受賞。「先生、しゅくだいわすれました」「がっこうかっぱのイケノオイ」「ポケネコにゃんころりん」シリーズ、「テディベア探偵」シリーズ、「夜間中学へようこそ」などの著書を持つ児童文学作家。愛知県半田市在住 児童文学同人誌「ももたろう」同人、日本児童文学者協会会員 JBBY会員
〔家族〕 夫 息子その1(人間) 息子その2(人間)、息子その3ルウ(トイプードル) 息子その4モカ(トイプードル)

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