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わたり鳥

鈴木まもる「わたり鳥」(童心社)を読んだ。
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日本では、わたり鳥というとツバメを思い出しがちだが
実は、南の国から日本にくる鳥は100種類以上いる。
ボルネオ島やマレーシアなど、5000㎞以上離れたところから
地図も見ないで、生まれた土地に帰ってくる。
そして、冬になれば北の国から100種類以上の鳥がわたってくる。
わたり鳥は、もちろん日本だけではなく、世界中にいる。
旅の途中、大きな鳥にたべられてしまうもの、
ガラス張りのビルにあたってしんでしまうもの、
風力発電のプロペラに巻き込まれるものもいる。
せっかくたどり着いた森が無くなっていたり
水辺がコンクリートで固められていたりすることもある。
それでも、鳥たちは渡っていく。
それは、すべて新しい命をはぐくむためなのだ。

人間が地球に現れる前から鳥たちは、海を渡っていたのだそうだ。
人間は新参者のくせに、大きな顔をして
鳥たちの暮らしを脅かしているのだなとおもった。

少し前に、東山動物園が鳥インフルエンザで休園した。
鳥インフルは野鳥が運んできているとのことで
そのときは、正直「野鳥がこなければいいのに」と思ってしまった。
けど、鳥たちは、昔と同じ暮らしを繰り返しているだけで
それを変えてしまっているのは人間なのだ。

この本をなぜ読んだかというと、
少し前に、こんな写真をもらったからだ。
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書店さんの階段一段一段にはられた「わたり鳥」の表紙絵。
童心社の販売促進部の方のお仕事だ。
営業の人が、こんなに一生懸命お薦めする本というのはどんなのだろう。
そう思って、手にとった。
なるほど。
これは、お薦めしたくなる本だ。
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とうちゃんとユーレイババちゃん

藤澤ともち「とうちゃんとユーレイババちゃん」(講談社)を読んだ。
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六年生のぼくの家族は、母さんととうちゃんとババちゃん。
でも、とうちゃんは、父親じゃなくて、母さんのお兄さん。なまえが透也だから、とうちゃん。
ババちゃんは、2年前に死んじゃってて、ぼくだけが見える幽霊。
ぼくととうちゃんは、顔がそっくりだから傍目からは親子に見えるらしい。
とうちゃんは、おならばっかりしているし、下ネタが好きだし、お酒に酔っ払う。
おまけに惚れ症だ。
今度の相手はお弁当屋の鈴木さん。
クラスの鈴木くんのお母さんだ。

とうちゃんの恋物語と
ぼくの友情物語と
ちょっとだけ母さんの再婚の話。
全体的にほんわかしてて、安心して読めた。
ストーリーがわかりやすく
ぼくの心情もいかにも6年男子。
文章もうまいので、一気に読了。

佐藤真紀子さんの描いた鈴木くんを見て
「おおっ、これはモテる」と思った。
佐藤さんの描く少年は、逸品。

なまけてなんかない!

品川裕香「なまけてなんかない! ディスレクシアの男の子のはなし」(岩崎書店)を読んだ。
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りんちゃんは一年生。
運動も得意。絵本も好き。友だちに優しくだってできる。
でも、字の勉強が始まって、あれ? と思う。
どんなにがんばっても、字が覚えられない。
「もうすこしがんばろうね」っていわれてしまう。
でも、ちがうのだ。
努力がたりないのではなくて、りんちゃんは、「ディスレクシア」なのだ。

ディスレクシアとは、知的には問題がないのに
読み書きがスムーズにできない状態を指す。
脳の情報処理の仕方が、一般の人とちがうらしい。
わたしが、ディスレクシアを知ったのは、10年ほど前、「光とともに」という漫画でだ 。
文字の形が認識できないというこどもが出てきたのだ。
ほかのことは、なんでもできるのに、
この障害のため、ともだちからはバカにされ続けていた。

ADHD、自閉症、アスペルガーなどは、
近年、世間によく認知されてきたが、
ディスレクシアは、まだあまり知られていない。
自分の子がどうして字を覚えられないのか、悩んでいるおかあさんもいるかもしれない。
こういう絵本が出版されることで
ディスレクシアを知る人が増えていくといい。
知らなければ、手助けをすることもできないのだから。

夏の推薦図書

この前、作家が書店さんにできることはないかとブログに書いたら
編集者さんが「心からお礼を言うことですね」と教えてくださった。
おお、お礼に行っていいわけですね。
てことで、早速、お礼にいってみた。

まず、イオン大高店の未来屋書店さん。
この前、パネルが貼ってあるところとか、
本が平積みされているところとか見ていたが
行ってみたら、それだけではなく、入り口に「先生、しゅくだいわすれました」がど~んと積まれていた。
今年も夏の推薦図書にしてくださったのだ。
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横から見るとすごい!(売れるのか?)
児童書担当の書店員さんがいらしたので
「いつもお世話になっております。ありがとうございます」とご挨拶。

もう1件どうしても行きたい場所があった。
アピタ大府店の「えみたす」さんだ。
ここは、「先生、しゅくだい」も「神隠しの教室」も平積みしていてくださる上に
「ポケネコにゃんころりん」が、10巻までそろっているのだ。
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ただ、残念ながら児童書担当の方は、すでにお帰りになっていた。
ほかの書店員さんに「よろしくお伝えください」と話してきた。

こういうことができるのは
童心社の販売のOさんが、いい方で、
「作家のくせに余計なことを」なんていわないからだ。

作家の皆様の中には「作家が営業みたいなことして」といわれる方もいるかもしれないが
別に作家は机にかじりついていなくちゃいけないわけじゃないし
わたしが出向くことで、なにかプラスの効果があるのなら
ほいほい行っちゃうよ、わたしは。
学校だって、図書館だって、行きますよ。


そろそろ夏の読み物が決まる時期だ。
「神隠しの教室」は、学校図書館協議会の第50回「夏の本(緑陰図書)」に選んでいただけたそうだ。
「夜間中学へようこそ」も、いくつかの推薦にいれていただいている。
(発表していいのかわからないので、内緒にしておきますが)
「先生、しゅくだいわすれました」は、出版以来、いろいろなものに選んでいただいている。

この夏も、わたしの本たちが、いろいろな形で
様々なこどもたちの元にお邪魔させていただくのが楽しみだ

あじさいの里(形原温泉)

車で1時間ほどのところにある形原温泉の「あじさいの里」に行ってきた。
3年前にも行ったのだが、6月の終わりで、
公開の最終日だった。
今回は、おそらく真っ盛りのはず。

そう思ったのは、わたしだけではなく
世間の人はみんなそう思っていた。
思った以上の渋滞で、目の前には観光バスも何台も並んでいる。
駐車場はそんなに広くないので、車がおけるかどうか気になった。

ただ、形原温泉が、かなり鄙びた温泉街ということが功を奏し、
「あじさいの里」へ着くまでの道にあるホテルの駐車場にはいれるようになっていた。
あじさいの里の駐車場料金300円に比べると200円ほど高いが、置けるに越したことはない。
500円くらい払えますよ、山本家。

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入場門をはいるとすぐに、斜面いっぱいのあじさい。
色とりどりで、見事としかいいようがない。
「あじさい」と一口に言うけれど
色も形も、ほんとうに様々だ。
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これは「ポップコーン」という名前。花びら(ではないらしいけど)がくるんと丸くなっていて、かわいい。

以前ここで買った「ダンスパーティー」という種類のあじさい、
今回改めてみてみると、
うちの貧弱ダンスパーティーとは大違い。
みんな大ぶりで、華やかだ。
こうでなければ、名前負けだ。
うちのあじさい、ものすごくかわいそうなことをしてるのかも。

と、今回は花ではなくて肥料を買ってきた。

今回、園内を散策していて、気づいたのは、
日本語じゃない言葉が、いきかっていること。
おそらく来ていた人の三分の一くらいが中国の人なのじゃないかと思った。
たくさんの観光バスの何台かは、中国の人たちを乗せた団体旅行ツアーだったにちがいない。

「日本のあじさいはきれいだ」と思っていてくれるといいな。

トンチンさんはそばにいる

さえぐさひろこ「トンチンさんはそばにいる」(童心社)を読んだ。
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ひなたのクラスのゆうくんは、さっと見ただけで服の水玉の数がわかる。
雲一つない空を眺めて、もうすぐ雷が鳴ると当てられる。
ふしぎでたまらないひなたがゆうくんにたずねると、
ゆうくんのそばにはいつも「トンチンさん」がいて教えてくれるという。
ゆうくんは、勉強が苦手で
おしゃべりもじょうずじゃない。
「バカ」とか「じゃま」とか言われても、頭を揺らしたり、手を空に広げたりするだけだ。
それでいい気になって意地悪をする子がいる。
ひなたは、たまらなくなって……。

ここ十年くらいで、発達障害についての理解は、かなり深まってきていると思う。
でも、それは、おとな目線であって
実際、発達障害のある子たちと生活しているこどもたちは
「あの子、へん」「かわってるね」という思いは消せないでいる。
なかなか個性として受け入れることは、難しい。
このお話に出てくる石川くんのように、意地悪な気持ちになってしまう子もいる。
「みんなちがって、みんないい」は、そんなに容易なことではない。

ひなたとまおちゃんは、何も構えることなく、ごく自然に、ゆうくんの思いに触れる。
そして、トンチンさんと同じように、ゆうくんのこころによりそっていこうと思うのだ。

最後まで読んで、じんわりと心が温かくなった。
なんて優しいお話だろう。
こういうの、世界中の子に読んで欲しい。

未来屋書店イオン大高店

童心社の販売促進部のOさんから、
未来屋書店イオン大高店の画像が届いた。
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書棚の左に「神隠しの教室」のパネルが!(うっとり)
前の段に平積みしてある「神隠しの教室の」の下にはPOPも見える。
「先生、しゅくだいわすれました」は表紙が見える形での縦置きだ。
お隣には、勝手に姉妹本と認定した、いとうみくさんの「母ちゃん取扱説明書」もある。
写真ではちょっとわからないけれど「夜間中学へようこそ」もあるそうだ。
こんな限られたスペースにわたしの本が3冊もあるなんてすごい。
しかもパネルまで!
Oさん、未来屋書店様、いつもありがとうございます。
未来屋書店様、わたしにできることはないでしょうか?

Twitterで村山早紀さんが、書店さんを回って
色紙を送ったり、
サイン本を書いたりしているのを見て、
すごいなあと思っている。
でも、わたしの色紙やサイン本は、却って迷惑になる。
正直、いらないだろう。
ほかに何かできることはないかと、真剣に考えてしまう。
でも、考えてもでてくるのは
そうじ…とか?
(それはそれで迷惑だろう、おそらく)

書店員の方々、作家(認知度の低い)がやれることがあったら、是非教えてください。


今日は、乳がんの検査に行ってきた。
がん検、ほんっといやだけど、
しかたないね。

ばあばは、だいじょうぶ

楠章子「ばあばは、だいじょうぶ」(童心社)を読んだ。
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つばさは、ばあばがだいすき。
学校からかえると、まずばあばの部屋へ。
ママにしかられたときも、ばあばの元へ。
ばあばはいつも「つばさは、だいじょうぶだよ」っていってくれる。
そんなばあばが、かわってしまう。
いろいろなことをわすれる病気になってしまった。
つばさは、次第にばあばから離れていく。
そんなある日、ばあばがいなくなった。

認知症になってしまった祖母から離れていくつばさの気持ち、よくわかった。
わたしも中学生の時
母方の祖母が倒れ、寝たきりになったとき
お見舞いに行ってショックを受けた。
あんなにしゃきしゃきしていたしっかり者の祖母が
まったく別人になっていたから。
つい足が遠のいた。
認めたくなかったのだ。

裸足ででていったばあばを思い、
つばさは自分の足が冷たく感じる。
そして、もどってきたばあばに靴下をはかせてあげる。

はじめは、低学年の子のおばあちゃんにしては
年を取り過ぎてる気がした。
低学年の子のおばあちゃんなら60代くらい。
まだ早いのでは、と思ったが
後書きを見て、わかった。
作者のお母さんは、若年性認知症なのだそうだ。
この物語は、作者の日常から生まれてきた物語なのだ。
だから、おばあちゃんが若いのだ。

最後の場面は、涙が出そうになった。

Twitterにも書いたけど、絵がすごくいい。
優しさにあふれている。
今年の全国読書感想文コンクールの低学年の課題図書。
たくさんの子に読んでもらいたい物語だ。


3年前にあじさいの里で買ったあじさいが咲いた。
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ダンスパーティーという名前だそうだ。
庭に直に植えると、うちのアジサイは青になってしまうため
ずっと鉢植えにしていたら、去年は咲かなかった。
今年は咲いてよかった。
花が終わったら、「赤のアジサイの土」を買って、
もう少し大きな鉢に植え替えよう。

いっさいはん

minchi「いっさいはん」(岩崎書店)を読んだ。
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「しりもちでかいだんをおりる」
「ねむるとぐにゃぐにゃになって ものすごくおもたくなる」
「ねていると かおのうえに のりあげてくる」
題名通り、1歳半の子の「あるある」を絵本にしている。
遙か昔の記憶を思い出した。
そうそう、こうだったよ、うちの息子たちも。
今、子育て中のお母さんたちから見たら、たまらないだろう。
共感しまくりにちがいない。
そして、もう子育てを終えたお母さんたちは、懐かしい気持ちで見るだろう。
絵もすっきりして、きれい。

「育児」ものというと、今まではコミックが多かったと思う。
わたしが子育てをしてた頃は
「ママはぽよぽよザウルスがお好き」(青沼貴子)とか
「あたし天使あなた悪魔」(田島みるく)とか
「あたしがママよ!」(森本梢子)とかあって、
いずれも熟読していた。
あの頃のわたしは、頭が子育てでいっぱいだったのだ。
子育ての情報が欲しかったし、
共感したり、安心したりするものが欲しかった。
「ああ、うちもそう」と思えるのがうれしかった。

今までコミックにしかなかったものを絵本にしたところがよかったのだと思う。
気楽に買えるコミックもいいけど、
絵本ならではの紙の良さとか、色のきれいさとか。
手触りの良さとか。
しかも、この絵本には、毒がいっさいない。
出てくる両親も愛情たっぷりだ。
見ていて気持ちがいい。
親がこどもを虐待したとか、殺害したとか
悲惨なニュースを耳にすることの多い今の時代だけど
ふつうは、こうなんだよね、子育てって。

西尾 Booksえみたす

西尾のヴェルサウォークの中にある書店さん
「Booksえみたす」に行った。
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「先生、しゅくだいわすれました」と
「神隠しの教室」が平積みされてた。
そして、先日「3巻並べて平積みしたい」とブログに書いた
日向理恵子さんの「雨ふる本屋」シリーズもあった。
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わたしが喜ぶ筋合いはないのだけど、
自分がおもしろいと思った本が、並んでいるのはうれしい。
「神隠し」や「先生、しゅくだい」と同じ童心社の本なので
なんとなく親しみも感じている。
いとうみくさんの「かあちゃん取扱説明書」も、いつも「先生、しゅくだい」といっしょに並んでいるので
そばにないと、「あれ?」とまわりを探したりしてしまう。
姉妹本みたいな気がしてるんだなあと思う。

そういうの、へんかな?

童心社の仲良し姉妹(?)を平積みしていただき
Booksえみたす様、童心社の販売促進部の方、ありがとうございます。
プロフィール

yamamoto etsuko

Author:yamamoto etsuko
「神隠しの教室」(童心社)で、第55回野間児童文芸賞受賞。「先生、しゅくだいわすれました」「がっこうかっぱのイケノオイ」「ポケネコにゃんころりん」シリーズ、「テディベア探偵」シリーズ、「夜間中学へようこそ」などの著書を持つ児童文学作家。愛知県半田市在住 児童文学同人誌「ももたろう」同人、日本児童文学者協会会員 JBBY会員
〔家族〕 夫 息子その1(人間) 息子その2(人間)、息子その3ルウ(トイプードル) 息子その4モカ(トイプードル)

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