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かがみの弧城

辻村深月「かがみの孤城」(ポプラ社)を読んだ。
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中1のこころは、同じクラスの美織たちとの一方的なトラブルの標的にされ、学校に行けずにいる。「行ったら殺される」と思うほど、ずたずたに傷つけられてる。5月のある日、一人で部屋の中に閉じこもっていると、鏡が虹色に輝く。手を触れたとたん、鏡の中に引き込まれる。中には、こころ以外にも同じくらいの年齢の男女がいた。みんな、不登校のようだ。そこにオオカミの面をかぶった少女が現れる。この城の中にある秘密の部屋のかぎを探し出せば、どんな願いも叶えてやる。城が開くのは9時から5時まで。5時前には各自、鏡を通ってもとの世界に帰らなくてはいけない。期間は、3月の30日まで。こころのかなえたい願いは「美織の存在をけしてほしい」ということ。

この作品を読んだのは、わたしの「神隠しの教室」のレビューに、
「『かがみの孤城』が面白いと思った人は、『神隠しの教室』も、面白いと思うはず」というのがあって
なら、「神隠しの教室」を書いた本人はどうだろうと思ったからだ。
で、読んでみて、
面白かった!

もう、どんぴしゃで好みだった。

鏡の国なんていうと、あまいファンタジーみたいだが
全くそんな感じではない。むしろミステリー。
あちらこちらにちりばめられていたヒントが
最後に、すごい勢いで回収されていく。
なるほど、そうか、そういうことか。
物語終盤、城の秘密が明かされていく場面は驚きの連続で
うわ、うわ、うわ~っと目が離せなかった。
ページをめくる手が止まらなかった。

そして、子どもたちの気持ち書き分け方がすばらしいと思った。
すごい、と思った。
読んでいると、なぜか自分の中学時代が、どんどん蘇ってくる。
あのとき、自分があんなに傷ついたのは、そうか、こういうことだったんだと
こころの気持ちをのぞきなが気づいたりした。

読んでよかった~。
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アクアイグニス

今週の日曜日、三重県の温泉レジャー施設アクアイグニスに行ってきた。
車で約1時間半の片岡温泉。
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ここが温泉施設。中は、かなりモダンできれい。
おふろ四つあって、三つは露天風呂。
竹林の中のおふろは、すごくわたし好み。

でも、いつも思うのだけど、夫婦で来る温泉って、つまらない。
家族で来ても、女性はわたし一人。
いっつも一人ぼっち。
だけど、今回、周りを見たら、わたし同様「ぼっち風呂」の人、結構いた。
まあ、一人もいいかあ。

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こっちがお店のあるほう。
和食、イタリアン、スイーツ。どのお店も評判がいいが
今回は、コンフィチュールアッシュというスイーツのお店に入った。
辻口シェフという有名な人のお店らしい。
この日は、シェフが店頭で「アイスメロンミルク」というドリンクを作っていた。
ケーキはどれもすごくおいしそう。
どれにするか、迷いに迷って、ここでしか食べられないであろうケーキを選んだ。
それが、下の写真のお花のついたケーキ。
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しかし、夫は、迷いもせずに「ロールケーキ」と「ショートケーキ」(名前はちがうが)を選んだ。
なんでもっと「ここでしか」みたいなのを選ばない?
と思ったが、しかたない。
夫は、「普通の」が一番好きなのだ。
こういうのも女どおしで来たらまた違うんだろうなあ。

帰りに御在所のサービスエリアによってお土産を購入。
ちょっとだけ旅行気分を味わった。

青春は燃えるゴミではありません

村上しいこ「青春は燃えるゴミではありません」(講談社)を読んだ。
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「うたうとは小さないのちひろいあげ」から始まったうた部の物語の完結編。
桃子、綾美、彩は高校3年になった。
パティシエになるための専門学校に進むつもりだった桃子は、ある日突然、家の経済的な事情で就職して欲しいと告げられる。
また、同時期に部活動の一環として定期的に通っていた介護施設の重朗さんを2年生の友郎が怒らせてしまい、許す代わりに宮崎の海を見てくる約束をさせられてしまう。宮崎にどうやって行けばいいのか悩んでいるとき、「牧水短歌甲子園」が宮崎で行われることに気づく。今回は、この「牧水短歌甲子園」を目指す物語だ。

桃子、綾美、彩の三人は、1年生のときからみている(読んでいる)ので、わたしの中ではもう実在の人物のようにリアルな存在になっている。1年の時は不登校で闇の中に閉じこもっていた綾美が、寄り添ってくれる恋人の存在を得て、精神的に強くなっていることに驚かされたり、優秀だけど、ちょっと不器用な彩が、自分の道を進もうとしている姿にいじらしさを感じたり。そしてなにより、桃子が進路のことで悩んだり、部活のことで迷ったり、先輩に励まさせたりする姿に、「ああ~、そうよ、そうよ。高校生の頃って、こんな感じだったわよ」と、共感したりしてしまった。
そして、今回の見所は牧水短歌甲子園での短歌とそれに関するディベートだ。短歌もすごいけど、その良さを披露したり、相手の歌に攻め込んだりする場面は、読み応えがあった。

「うたうとは」を読んだときからそうだが
このシリーズ、読み終えるとやたらに短歌が作りたくなる。
短歌、おもしろい! って思う。
短歌甲子園も見に行きたいなあ。
そう思っていたら、この本を読んでいる最中に新聞やネットに短歌甲子園のニュースが流れてきてた。
これって、前からこんなにニュースになっていたのかな。
もしかしたら、村上しいこのシリーズが、世の中に短歌ブームを起こしているのでは?

これで終わりだと思うと残念!


BUTTER

柚木麻子「BUTTER」(新潮社)を読んだ。
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三人の交際中の男を殺害したとして拘留中の梶井真奈子。
世の中を賑わせたのは、次々と男を手玉にとった梶井が、太っていて、美しくないことだ。
週刊誌の記者の由佳は、その独占インタビューをとりたいと拘留所に足を運ぶ。
なんとか梶井の興味を引きたいと考え、由佳は彼女のブログにある料理の話から入った。
もともと食べることにも作ることにも興味になかった由佳は、
彼女のいうままに、料理を作り、薦められた店に行き、その感想を伝える。
由佳は、次第に梶井に取り込まれていってしまう。

実際の「木嶋佳苗事件」をモチーフにした物語だ。

はじめの「炊きたてのごはんに、高級バターをのせ醤油を垂らしたバターライス」を皮切りに
ふんだんにバターを使った濃厚な料理がでてくる。
また、その表現が、本当においしそう。
読んでいるだけで2,3キロ太りそうだ。
そういえば、柚木麻子は「ランチのアッコちゃん」などでも
よだれが出そうなレシピを紹介していたっけ。
食べ物の描写がうまい人だった。

由佳が、梶井と会話をしている部分では、気がつけば、わたしも梶井に取り込まれていた。
梶井が言っていることがすべて正しくて、梶井こそが魅力的だ。
梶井の崇拝者に、わたしもなりかかっていた。
恋人とホテルで会ってから、深夜にひとりラーメンを食べに行く部分では
もう完全に掌中におさまっていた。

物語の中盤から、親友の怜子や篠井の存在感が引き立つようになってきて
由佳同様、梶井の世界から何度も引き戻してくれた。


料理には2種類あることに気づいた。
誰かに食べさせるための料理。
自分のための料理。
わたし自身は、料理は家族のために作るもので、自分一人だったらごはんに卵でもかけておけば十分だ。
でも、自分がたべたいものを、自分のために作る。
それってすごく大切なことのような気がしてきた。
梶井にとって料理は、男を虜にするためのものだった。
でも、自分のために作っていいのだと気づいたとき、梶井の道がかわる。
殺人事件と料理。
一見何の関わりもなさそうな二つが、大きく絡んでくる。
梶井が最後に作ろうとしていた「七面鳥の丸焼き」の下りは、せつなかった。

柚木麻子のインタビュー記事を読んだら
この物語に出てくる料理はすべて食べてみたそうだ。
物語の由佳は10キロ太ったが
柚木麻子は大丈夫だったのだろうか。
七面鳥も、ホントに焼いたんだろうなあ。四日がかりで。

竹島水族館

蒲郡の竹島水族館に行ってきた。
ここは、日本で1,2を争うほど古くて狭い水族館。イルカもラッコもいない。入場料500円というお手頃さだけが取り柄だったところで、来場者数も少なかったのだが
若い飼育員さんたちの創意工夫で、今、来場者数はうなぎ登りらしい。
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今日も、午前中に行ったにもかかわらず水族館前は長蛇の列。
30分ほどならんで、ようやく中へ。

ここは、なんといっても飼育員さんの解説が面白い。
でも、面白いだけじゃなくて、ちゃんと特性も性格も書いてある。
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「それでもボクはわるくない」と書かれていたのはアリゲーターガー。
最近、名古屋城のお堀にいることで悪者扱いされているけど、ボクはなんにも悪くないと主張していた。
一つ一つの水槽に貼られた解説が面白くて、ついついていねいに読んでしまうので
お客さんたちの歩みも遅い。
中にはこんなのも。
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展示の仕方も楽しかった。
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このマンション、オーシャンビューらしいけど(笑)
中にちゃんとお魚が収まっていた。
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そして、すごいのは、これ。takesima44.jpg
漁師さんからもらったときに死んでしまった魚介類を試食して
そのレポートが張り出してある。
食べられるのか、食べられないか、そんなことはお構いなしに
あくまで自己責任で。
読んでいくと、オオグソクムシとかアリゲーターガーとかまで食べている。
「世界征服」がどうのこうのとかいう番組の「なすD」のような人が
この水族館にはいる。

今日は、満員過ぎて見られなかったが
アシカショーもある。
そして「全然いうことをきかないカピバラ」のショーも。
(なぜか、カピバラが2頭いる)

水族館を見た後は、外の売店でたこの唐揚げとねぎまとビール(わたしだけ。運転手の夫はお茶)を買って
横の海岸の堤防にすわって、海を見ながらのんびり。
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今度は、もっと人の少ない時期に来たいなあ。

パソコン暴走

一昨日の夜のことだ。
メールを打っている最中に、パソコンが止まった。
どうやっても文字が打てない。
しかたないので再起動することにした。

青い画面になり「再起動しています」と、いくつもの水玉がくるくる回る。
回る、回る、回る  5分経過
遅いなと思いつつ待つ、10分、20分、30分
遅い。
これはおかしくないだろうか?
夫に「再起動が終わらない」というと、「待つしかないんじゃない」というので
とりあえず待つ。1時間経過。どう考えてもおかしい。
もう強制終了しちゃお、と電源ボタンを長押し。1,2,3とカウントしていくが
20になっても30になってもいっこうに消えない。
ええっ! そんなことってあるの?
暴走してるとしか思えない。

夫と息子その1がやってきて、「コンセント外して、自然に切れるのをまとう」ということになった。
バッテリーは、簡単に外せそうではなかったので、充電が切れるのを待つ。
パソコンは、ずっと「再起動しています」と言い続けている。

どうなっちゃったんだろう。
TwitterでSOSを出したら、令丈ヒロ子さんが「放置しておくと直ることもある」と教えてくださった。
そうか。放置か

パソコンの具合も気になるが、最終手段は修理に出せばいい。
ただ問題がひとつ。
わたしは、「ももたろう47号」の編集当番なのだ。
みんなから原稿が送られてくるのだ。
締め切りは2日後。(その時点では)
集まってきたデータ原稿を、わたしがまとめてサンタポストさんに送るのだ。
どうしよう。
最悪、みんなに電話して、他の人に編集当番を代わってもらえたとしても
わたしの原稿はどうしたらいいの?
息子のパソコンを借りて打ち直す?
あと二日じゃ、なんともできないよ~。゚(゚´Д`゚)゚。

寝る時間になってもパソコンは「再起動状態」なので、そのままにして就寝。

翌朝(つまり昨日の朝)、パソコンの画面は真っ暗になっていた。
コンセントを入れ、おそるおそる電源ボタンを押す。
が、反応なし。
何度押しても真っ暗なまま。

もうだめだ。
ももたろうは今回はお休みするしかない。
いやそんなことより、書きかけの原稿はどうなっちゃうんだろう。

地獄に突き落とされた感じ。
朝食も食べる気になれない。

と、そこへ息子その1が起きてきた。
パソコンの状態を話すと、工具箱から小さなドライバーを持ってきた。
「バッテリー、一回外せないかな」
とパソコンをひっくり返す。
で、開けてみたけれど、バッテリーは、そこからは見えず
素人が絶対に触ってはいけないオーラがあふれていた。
「ちょっといじれないな」
と、もう一度ふたを閉じ、パソコンをひっくり返りしたとたん
電源が入ったのだ!

暴走の原因も直った理由も
なにもわからない。
このパソコン、今年買ったばかりなのに。

息子は「母さんが触るから壊れる」という。
そういえば、教員時代、わたしの触れたCDが次々壊れることがあって「破壊神」といわれたな。

毎度毎度パソコンの調子が悪くなるたびに
死にそうになる。
パソコンを壊さない方法を誰か教えてください。

15歳、ぬけがら

栗沢まり「15歳、ぬけがら」(講談社)を読んだ。
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15歳の麻美は、市内で一番古い市営住宅に母親と住んでいる。
母親は、心療内科に通っているが、家事をせず、家の中はゴミ屋敷状態だ。
水道は止められ、給食以外にまともな食事はない。
それなのに、夏休みが来てしまった。
同じ団地の翔は、「まなび~」という学習支援塾に通っている。
授業料は無料。お昼ごはんもおやつも食べさせてくれる。
大学生ボランティアの唯さんや塾長に出会い、麻美の心は少しずつ変化していく。

麻美の苦悩が、私には痛いほどよくわかった。
私も、中学の3年間は本当に「お金がない」暮らしをしていたから。
それまでも豊かだったわけではないが、当時はどん底だった。
高校に入った頃から、少しずつ我が家の経済は持ち直してきたが
あの3年間の貧乏は骨身にしみた。
母はよく言った。「お金がないのは、首がないのも同じ」
貧乏だと、人扱いされないのだ。
麻美が、友だちに迫害されてもなにも言い返せないのは、「貧乏だからしかたない」と感じているからに違いない。
だって、どうしようもないもの。
どうにもならないもの。

お金がない、食べ物がない、家がきたない。
「それがなに? 人間にとって一番大事なのはそんなことじゃないのよ」といわれるかもしれないけれど、
こういうことは人間の自信や尊厳をぼろぼろにしていくのだ。
そのくせ「同情なんてされたくない」と思う。
必要以上に敏感になって、びくびくしたり、虚勢をはったり。
麻美が、はじめに「まなび~」の説明会で感じた「上から目線」「ほどこし」は、そういうことなのだ。

「15歳、ぬけがら」というタイトルをみたとき、
「ぬけがらのようになってしまった中学生」の悩みの話かと思ったが、全然違ってた。
ぬけがらには、そこまでの生き様があらわれている。
強いぬけがらになりたいという、
力強い宣言なのだ。
ぬけがらのくだりは、胸にしみた。
和馬との別れの場面も切なかった。
でも、この選択が一番正解だったと思う。

ストーリーに、強引なところがなく
麻美の心の変化も自然で、共感できた。
最後にパン屋さんのおばさんと話せて、よかったなあ。

なんとなく「雰囲気がある、悩める中学生の出てくるYA」かと思ったら
リアルで、力強い文学だった。
デビュー作で、こんなにうまいとは。
2作目も楽しみ。

アリゲーターガーの孤独

昨日は、所用で名古屋の市役所の方にいっていた。
2時間ほど外を歩き回り疲れていたせいか、ランナーズハイのような状態になり、
突然「ここまで来たなら名古屋城に行こう」と思い立った。

なんで名古屋城かというと、お堀が見たかったからだ。
数年前からアリゲーターガーが住み着いているのだ。
なんどもテレビで捕獲作戦の様子をやっているので
愛知県民なら誰もが知ってるだろう。
2,3ヶ月前に1匹つかまったが
もう1匹いるらしい。
大きさは150センチ以上あるらしいから、
ほぼ私とかわらない。
おそらくペットとして飼われていたものだろう。
捨てられたのだ。

1匹つかまったというニュースを聞いたとき、急に心細くなった。
1匹になったアリゲーターガーは、どうしているのだろうか。
お堀の他の生きものを食べるから、つかまえなくてはいけないみたいだけど
それは、わかるけど
アリゲーターガーは、ただ、一生懸命生きてるだけなのだ。
おなかが空けば、食べる。
人と同じだ。

ヌートリアが繁殖して困っているとか
キョンが木の根を食べてしまうとか
そのために駆除をしているとか
そういうニュースを聞くたび胸が痛む。
もともと、この地にいたわけじゃなくて、人間の都合で連れてこられたのに。
ただ、必死に生きてるだけなのに。
駆除している人たちだって、そんなことは十分わかっている。
それしか方法がないから
「かわいそうだけど、仕方がない」という苦渋の決断なのだ。
でも、胸は痛む。
何の権利があって、人間は、と思う。

名古屋城のお堀は、予想以上に大きかった。
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お堀に近づくと、コイがどんどん近づいてくる。
そのコイの大きいこと!
私の太ももくらいの大きさだ。
アリゲーターガーも、これは食べられないだろう。
あごがはずれそうだ。

お堀をぐるっと歩いたが、当然、アリゲーターガーは見つからなかった。
こんな広いところで
たったひとりで、
みんなから疎まれ、排除されようとしているアリゲーターガー。
捕獲されたアリゲーターガーのお腹からは
なにも食べ物は見つからなかったそうだ。
アリゲーターガーのお腹の中には、きっと孤独がつまっている。


話は変わるが
「先生、しゅくだいわすれました」、増刷のお知らせをいただいた。
なんと、なんと、15刷!

ありがとうございます!


過ぎ去りし王国の城

宮部みゆき「過ぎ去りし王国の城」(角川書店)を読んだ。
sugisarisioukou
高校への推薦入学を早々に決めた真は、受験を控えた同級生の中で浮いている。
ある日、母親に頼まれいった銀行で、美しい絵を見つける。
子どもたちの絵の下にこっそり付け足すように貼られていた絵は、床に落ち、人にふまれる。
思わずひろって持ち帰ってしまった真は、不思議な体験をする。
絵に触れると、中にはいれるのだ。

後に絵の中にはいる仲間として
女子の中でいじめの標的になっている城田と
漫画家アシスタントを訳あって休職中のパクさんが加わる。
そして、驚くことに、絵に描かれた城の中には、
十年前に行方不明になった小学生の女の子が住んでいた。

絵の中にはいる、というのは今までにも聞いたパターンだが
アバターを作って入り込むとか
現世界に残してきた体が、絵から離れれば帰れるとかは、
ちょっとちがうパターン。

真や城田の学校生活とか
絵に入り込むまでの過程とかは、なかなかお話に入り込めなかった。
でも、そこに「行方不明の少女」が出てきたとたん、面白くなった。
とくに少女が行方不明になるまでの事件は
さすが宮部みゆきと感じる書きぶりで、ぐんぐん惹きつける。

宮部みゆきなので、おもしろいことはおもしろい。
ただ、これが宮部作品で一番、とは思わない。
あくまで個人の意見だが
宮部みゆきのファンタジーは、けっこうまどろっこしい。
「模倣犯」とか「火車」のような社会的な事件を書いていくときの方が
作者の筆も生き生きしている気がする。

それと納得のいかない箇所がふたつばかり。
これは物語の根底を支えるものだから仕方ないし
その箇所がなくなったら、話にならないのだけど。
それってなんで? といいたい箇所が……。

この表紙絵は、そのころ話題になっていた「黒板にチョークで絵を描く」というやつだ。
たぶん、「絵」が先にあって、そこから派生してきた話なのだろうな。

アリスダイニング

昨日は、結婚記念日だった。
夫が休みを取ってくれたので
セントレアにある「アリスダイニング」というフランス料理のお店に行った。
ここは、空港の中で最もよく離発着が見られるお店なのだ。
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食事の間に、何機も飛び立っていった。

お食事は、もちろんおいしかった。
でも、フルコースだったので、ついつい全部食べられるかが気になってしまう。
好き嫌いはないが、量が食べられないのだ。
夫は、残すと不機嫌になる人なので
(結局残したモノを食べてくれるけど)
今回の私は、考えた。
前菜も魚料理も肉料理も別のモノを頼み
「半分こしよう」と持ちかけ
三分の一ほど食べたら、夫の半分のお皿と交換してもらう。
こうすれば、いろいろな料理を食べられる上に、
食べる量を減らせるのだ。
わたしって、頭い~い。

でも、料理は食べられない私だが、
デザートは別腹だ。
ケーキは一口サイズのものがいくつもあったので、うれしかった
alise2
本当は、タワーに乗っていたのだけど
結婚記念日用のメッセージが見やすいように
お店の人が、外してくれた。
本当はタワーに乗せたまま写真が撮りたかったのだけど。

このお店は、結婚式などもできるらしい。
アリスダイニング


昨日は平日だったので、空港は思いの外空いていたが
たまに賑やかな旅行者とすれ違うと
やっぱり中国語。
どこにいっても中国から観光客に会うなあ。
プロフィール

yamamoto etsuko

Author:yamamoto etsuko
「神隠しの教室」(童心社)で、第55回野間児童文芸賞受賞。「先生、しゅくだいわすれました」「がっこうかっぱのイケノオイ」「ポケネコにゃんころりん」シリーズ、「テディベア探偵」シリーズ、「夜間中学へようこそ」などの著書を持つ児童文学作家。愛知県半田市在住 児童文学同人誌「ももたろう」同人、日本児童文学者協会会員 JBBY会員
〔家族〕 夫 息子その1(人間) 息子その2(人間)、息子その3ルウ(トイプードル) 息子その4モカ(トイプードル)

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