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碧南市立新川小学校

今日は、午前中、碧南市立新川小学校の4年生にキャリア教育の授業をしにいった。
二分の一成人式の年齢で、自分の将来について考えることをしているので
「作家」という仕事について話してきた。
sinkawashou
新川小の4年生は、とてもしっかり話が聞ける学年だった。
聞く姿勢がいいのに加え
話していると、うんうんとうなずいてくれる。
事前に司書さんが「先生、しゅくだいわすれました」を読み聞かせしてくれているので
多分、みんな興味を持ってくれたのだと思う。

新川小には、思い出がある。
その昔、わたしは、ここに勤務していたのだ。
そのとき、楽譜も読めないのに金管クラブの顧問になってしまった。
なにもわからない顧問を助けてくれたのが、6年生の男の子だった。
かれは、部長だったので、この頼りない先生を何とかしなくてはと思ったのだろう。
楽譜の読み方、トランペットの吹き方、楽器の名前、いろいろなことを教えてくれた。
おかげでわたしは、ちょっとだけトランペットが吹けるようになった。
彼の名前は和音(かずね)くんといった。
和音……音楽をする子にふさわしい名前だ。
かれは、お寺の跡取りさんで、すでに得度もうけていて、
お盆のときなどはお経も上げているという。
彼と話しているうちに、お話がうかんできた。
音楽に絡めた成長物語。思わず、
「和音くんの名前、かしてもらっていい? お寺の子ってことにもしたいんだけど、いい?」
とお願いすると、気持ちよく承諾してくれた。
お話は、まったくのフィクションだけど、キャラクターをお借りしているので
和音くんのご両親にも許可をもらいに行った。
今考えれば、けっこうめちゃくちゃな話だ。
「誤解されるからやめてくれ!」といわれて当然なのに、和音くんのご両親は快諾してくださった。
そしてできたのが
「WA・O・N 夏の日のトランペット」
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わたしの2冊目の本だ。
あのとき、この学校に赴任しなければ、できあがることのなかった本だ。

名前をお借りした本物の和音くんは、今新潟にいる。
ずっと年賀状のやりとりをしていて
数年前からは、その年賀状に奥さんとお子さんの写真が加わった。
いずれは碧南に帰ってきて、こちらのお寺を継ぐのだろう。

わたしがいたころとは、もう校舎も変わってしまったけれど、
ちょっと懐かしい気持ちになった。
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奮闘するたすく

まはら三桃「奮闘するたすく」を読んだ。
huntousuru
おじいちゃんといっしょにデイサービスの見学に行ったことを日記に書いたら、担任の早田先生から、夏休みの自由研究として、もっと調べてきてほしいといわれる佑(たすく)。
友だちの一平といっしょに介護の現場に通うことになる。
老人福祉施設の様子が、佑の目をとして語られる。

施設の人たちがとても魅力的に書かれている。
お年寄りも、みんな個性的ですてきなのだが、
特にインドネシア人の介護研修生のリニさん!
なんて前向きで、明るくすてきなんだろう。
実際、今、介護の現場には外国人の人が多く見られるらしい。
リニさんの言葉の中で、「みんな、お年寄りの面倒をみたい」というのが印象的だった。
お年寄りは、インドネシアでは、大変尊敬されている。
長く生きている分だけ賢くて物知り。
だから、家族みんなでお世話をするし、みんなお世話がしたい。
その言葉通り、リニさんは、本当に温かい目でお年寄りを見、尊重している。

作者のまはら三桃は、デビューからまだ12年ほど。
でも、実に多くの力作を書いている。
すごいなと思うのは、様々な世界を書いているということだ。
弓道の世界を書いた「たまごを持つように」
和菓子の世界を舞台とした「風味さんじゅうまる」
鷹を育てる女子中学生の「鷹のように帆をあげて」
工業高校の女生徒が鉄の塊に挑む「鉄のしぶきがはねる」などなど
とにかく、次々に新しい舞台に挑戦し続けている。
意欲的な作家だ。

「奮闘するたすく」の中におじいちゃんが、
お遊戯みたいなことをやらされて憤慨するところがある。
そこを読んだときに、亡くなった母を思い出した。
母も足が不自由になってから、何回かデイサービスに行かせてもらった。
わたしが仕事に行っているときに
何かあると心配だからだ。
でも、ほんの数回でやめてしまった。
「あんな子どもがやるようなことやらされて」とか
「あんな年寄りばかりのところには行きたくない」とかいってた。
きっと、この物語のおじいちゃんのように憤慨していたんだろうな、きっと。

講座のお知らせ

今日は、3月に行う児童文学講座の打ち合わせをしてきた。
といっても、いつも行く図書館に行っただけだけど。

内容としては、どんなときにお話がうかぶのかとか
登場人物やストーリーのアイディアはどのように生まれてくるのかとか
本の形になるまでの経緯とか
「神隠しの教室」創作秘話とか話してほしいとのことだったので

そんな話をする、予定。

ふだんの読書生活や、こどものころ読書の思い出
今現在好きな本などの話もいれていいとのことなので
そんな話も多分、します。
質疑応答の時間もあり。

人が集まらないとこわいので
まだ受付してないけど、告知します。

愛知県半田市立図書館主催児童文学講座

「物語ができるまで」

   日時    平成30年3月11日(日)
          10時30分から12時
   会場    半田市立半田図書館 視聴覚室
          入場無料
          中学生以上 
   申し込み 2月22日(木)10時から
          電話または半田市立図書館窓口へ
          半田市立図書館 
          0569(23)7171     


お近くの方、どうぞいらしてください。
熱烈歓迎です。

また、2月22日近くになったら告知させていただきます。 

フォトブック

野間児童文芸賞の際の写真、いろいろな方からいただいている。
パソコンで見れば、いつだって見られるのだけれど。
こんなものを作ってみた。
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フォトブック。
アルバムみたいなものだ。
fotbooku2
富士フイルムのHPからアプリをインストールすれば、簡単にできる。
自分の気にいった写真を、
気にいったように配置し
文章も入れ、よしっとなったら
ネットで注文し、製本してもらう。
表紙のピンクのバラは、帝国ホテルに飾ってあったものを
童心社のHさんが撮ってくれた。
だから、よ~く見ると、金色の玉の中にHさんが写ってる(笑)
ハードカバーにしたので、かなりしっかりしている。
箱(ケース)つきだし。

世の中、便利になったものだなあ……。

このアルバムには、記者会見や贈呈式、二次会の写真の他
いただいたお花や、プレゼントや、電報や、記念品などの写真も全部入れた。
家の方に送っていただいたものも、もちろん入れた。
先生たちが開いてくれたお祝い会の写真も
ついでに、贈呈式の翌日、夫といったスカイツリーの写真も
み~んな入れちゃった

気がつけば、もう贈呈式から一ヶ月以上経つ。
さすがに余韻もさめてきたけれど、
フォトブックを見て、また、ちょっとうれしい気分復活。

青いスタートライン

高田由紀子「青いスタートライン」(ポプラ社)を読んだ。
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5年生の颯太は、母親が切迫早産で入院してしまったため、夏休みを祖母のいる佐渡島ですごすことになる。
祖母の家で、一つ上の従姉が遠泳に出ているビデオを見て、深く考えないまま自分も出てみようかなと言い出す。
早速祖母が、申し込みをしてくれるが、実は颯太は25mしか泳げないのだ。
祖母が教え子の夏生にコーチを頼んでくれる。
遠泳を通して変わっていく、一夏の成長物語。

正統派の児童文学だなあと思った。
友だち関係にも親子関係にも、ちょっとしっくりしないものをかかえた主人公が、
何かに挑戦していく過程で成長していく。
とてもさわやかで、読み応えもあった。

遠泳の部分は、とても細やかに描写されていて、すごいなあと思ったら、
作者は、実際に大会に参加していた。なるほど!
また、海の青、砂浜の白、漁り火、赤いミサンガ、オレンジ色のブイ、など
文章がとても色彩豊かだ。
タイトルの「青いスタートライン」もすてきだ。

主人公を取り巻く登場人物も、いいなあと思った。
夏生と、おばあちゃんは、特に好き。
教え子をいつまでも気にかけるおばあちゃんの気持ち、
わたしにはよくわかる。

作者のデビュー作「まんぷく寺でまってます」も同じ佐渡が舞台。
佐渡っていいところなんだろうなあ。
行ってみたくなった。

週刊読書人

週刊読書人に、野間賞贈呈式の記事を載せていただいた。

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贈呈式のスピーチで話したことを
かなりくわしく書いて書いてくださっている。

この記事のこと知らなかったのだけど
作家で、日本児童文学者協会の事務局長でいらっしゃる藤田のぼるさんが、わざわざ郵送してくださった。
藤田さんは、以前から気にかけてくださって
わたしの記事が載っていると送ってくださる。
今でこそ、面識もあるが
全然関わりがなかったころからだ。
きっとわたしだけじゃなく、
児童文学者協会の会員みんなにそうしているのだと思う。

いつもありがとうございます。

「神隠しの教室」、4刷のお知らせをいただいた。
こちらも、ありがとうございます。

ふたりっ子バンザイ

石亀泰郎写真集「ふたりっ子バンザイ」(青葉社)
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写真家石亀泰郎のデビュー作を50年ぶりに復刊させたもの。
表紙を見てもわかるように、二昔ほど前のこどもの写真だ。
年子の小さな兄弟を、赤ちゃんのころからとり続け
最後のページには、幼稚園への登園の写真が載っている。

はじめ見たときは、自分のこどものころを想記した。
きっと、こんなふうだった。
このイス、この三輪車、この洗濯機。
そして、この表情。
わたしもきっとこんな顔をしていた。
こんな顔で笑ってた。
こんな神妙な顔をしてた。
懐かしい気持ちでいっぱいになった。

つぎに、それぞれの写真のタイトルとあわせて見てみると
こどもたちの声が聞こえるような気がした。
兄弟のやりとりや
わらいごえや
泣き声が、聞こえるような気がした。

衝撃的なものとか、ものすごく美しいものとかない。
ただただ、二人の幼児の日常を
こつこつ撮りためたものだ。
でも、なんでだろう。
親目線というより、三人目のこどもとして、そこに存在している作者(カメラマン)を感じる。
楽しいのだ、見ていて。

この写真集は、野間賞の贈呈式の日、
ある編集者さんからいただいた。
なんで、これをくれたんだろう(しかも、自分の社の本ではないのに)と不思議だったのだが
きっと、自分が見ていてすごく楽しい気持ちになったので
そんな気分をお裾分けしてくれたのだろう。
自分がいいと思う本をお薦めしたい! という気持ちはわたしにもある。

「ふたりっ子バンザイ」は、いつでも手の届く棚に置いて
ときどきながめている。


前にもここで紹介したけれど
もとの教員仲間の人たちからいただいた梅。
ただいま、満開。umemankai
紅白梅のはずが、白ばっかりだけど(笑)
でも、すごく香りが高い。
前を通るたびに、ほんわりした気分になる。

年賀状、あたりました

きのう、お年玉付きの年賀はがきの当選番号が発表された。
調べるのが面倒だから放っておいたら、
そういうのがすきな夫と息子が速やかに調べていた。
で、わたしには、郵便局に行く仕事が与えられた。

じゃあ、ついでに、残ったはがきや書き損じのはがきも交換しようかなと思い立ち確認すると、去年の分も一昨年の分も交換せぬまま、残っているではないか。
よくよく調べると、以前のこった年賀状と交換してもらった50円はがきも20枚くらいある。
数えると全部で70枚ほど。
手数料と差額を出せば、切手やはがきと交換してくれるけど
そんなにはいらない。
なんかもっといい方法はないかなあ。

ふと、昔勤めていた学校で、書き損じはがき集めてたことを思い出した。
寄付するとか言ってた。
どこに寄付したんだろう。
と、調べてみると、ある、ある。いろいろある。
書き損じはがきの寄付を募ってるとこ、けっこうあるんだ。
その中の一つ、ユネスコのHPを見ると、テレフォンカードもいいらしい。
おお、あるぞ、何枚も。
それで、机の中を探して、使ってないテレフォンカードも引っ張りだし、
いっしょに送ることにした。
郵便局に行ったついでに、切手シートをもらい、
ユネスコに、はがきとテレフォンカードを送った。
こんなことで世界のこどもたちを学校に通わせる活動に参加できるなんて、得した気分。
うれしい。
もっとはやく気づけばよかった。

今年の切手シートは、犬のデザイン。
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かわいい~
ちなみに、戸森しるこさん、
あなたからの年賀状があたりました!

お節介な町

きのう、犬の散歩をしていたら、車が横に止まった。
「あけましておめでとう」
中学の同級生の男の子(もとい、おじさん)だった。
今も同じ町に住んでいる。
「ことしもよろしく」と挨拶を交わしたあと
彼は、わたしに聞いた。
「あのさあ、橋のところでいつも犬に電車見せてたおじさん、最近見んだけど、おれがたまたまタイミングのがしてるだけ?」
こいつもか……。

前、このブログにも書いたことがある。
シーズーをつれて散歩しているおじさん。
わんちゃんが電車が好きで、いつも橋の手すりにすわらせてみていた。
そのすがたを秋口から見なくなった。
うちの息子も夫も気づいて、「最近、見ない」と騒いでいた。
幼稚園の行き帰りのお母さんたちも「どうしたんだろ」といっていた。
もちろんわたしも。

ちょっと話すのがはばかられるのだが
12月のはじめ、わたしはどうしても気になって
おじさんの家を訪ねてみたのだ。
おじさんは一人暮らし。
奥さんは、数年前になくなっている。
わんちゃんが生きがいだから、わんちゃんに何かあったらおちこんでいるだろう。
おじさんが調子がわるかったら、何かしてほしいことがあるかもしれない。
玄関のチャイムを押すと、おじさんの声がした。
よかった、元気だ。
わんちゃんの声もする。
でも、出てきたおじさんをみて驚いた。
すごく痩せてしまっていた。
ずっと入院していたのだそうだ。
わんちゃんの散歩は、お嫁に行った娘さんとお孫さんがしてくれているらしい。
「娘が犬の散歩をしていると、いろんな人に、『おじさんはどうした』って聞かれるらしい」
と、おじさんは、弱々しくわらった。
「じゃあ、あたたかくなったら、またお散歩してね」
と、早々に失礼した。
「来てくれてありがとう」とおじさんはいってくれた。

同級生の彼には、「おじさんが病気で入院していたこと」「もう退院してるけど、娘さんがきてくれているらしい」ことを説明した。
「そうか。気になっとったんだ」
という言葉に、わらった。
ほんと、この町の人間はお節介だ。
わたしも含めてだけど。
だから、わたしは、結婚して一度町を出たにもかかわらず、夫を連れてもどってきてしまったんだな、と思う。

夢見の占い師

楠章子「夢見の占い師」(あかね書房)を読んだ。
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美しい薬売りの時雨と元気な弟子の小雨。
ときは明治の初め。
新しい時代が来たとはいえ、地方の暮らしは江戸のころとかわらない。
行商の薬売りは、命を支える仕事をしている。
二人は、山奥の忍びの里に行く。
そこには「夢を見ることを仕事」としている美しい娘が
幽閉されるようにくらしていた。
体が弱く、日に当たることも風にさらされることもままならない娘を
死なせずに生かすための薬をたのまれる。

ファンタジーかと思ったが、そうではなかった。
怪しい雰囲気は漂ってはいるけれど、もっとリアルだ。
実際に明治のころには、こんな人たちもいたのではないかと思った。

夢見の占い師の下りも深いと思ったけれど
もっと衝撃的だったのは、
「野ざらし様」だ。
代々、村のものたちを病から守ってきた「野ざらし様」
その正体を知ったとき、声が出た。
でも、こういうの、あったんじゃないかな、実際。

この作者は、とても知識のある人なのだと思う。
甘やかでふんわりしたファンタジーにまとめず
知識に裏打ちされた物語は、説得力もあり、読ませる。

「まぼろしの薬売り」という作品の続編だそうだ。
前作、うかつにも読んでいなかった。
読もうっと。

薬売りと聞いて、思い出したものがある。
この前、古い着物を出していたとき、押し入れから出てきた。
越中富山の薬屋さんの箱。
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わたしが、幼稚園くらいまで、祖母のところに一年に一回来てた。
来ると、いつも紙風船をくれたっけ。
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中に、薬が残ってた。
さすがに薬草じゃないけど(笑)
時代を感じさせる。
プロフィール

yamamoto etsuko

Author:yamamoto etsuko
「神隠しの教室」(童心社)で、第55回野間児童文芸賞受賞。「先生、しゅくだいわすれました」「がっこうかっぱのイケノオイ」「ポケネコにゃんころりん」シリーズ、「テディベア探偵」シリーズ、「夜間中学へようこそ」などの著書を持つ児童文学作家。愛知県半田市在住 児童文学同人誌「ももたろう」同人、日本児童文学者協会会員 JBBY会員
〔家族〕 夫 息子その1(人間) 息子その2(人間)、息子その3ルウ(トイプードル) 息子その4モカ(トイプードル)

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