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酒井京子氏講演会

昨日は、童心社会長酒井京子さんの講演会
「編集者が語る絵本の話」
を聞いてきた。
編集者時代は、松谷みよ子、ふるたたるひ、岩崎ちひろ、いわむらかずおといった著名な作家を担当していらした方だ。

今回は、まだ編集者として駆け出しの頃、岩崎ちひろさんの山荘に泊まり込み、食事などのお世話をしながら編集に携わった話、
「おしいれのぼうけん」の創作裏話、「14ひきのねずみ」シリーズの誕生秘話、「いないいないばあ」に込められた思いなどをお話しくださった。
sakaikaichou

どの絵本もすきなので、すごくおもしろかった。
会場までの道に迷ってしまい、一番後ろの席にいたおかげで
前列の方々が、いかに熱心に耳を傾けているかが見て取れた。
すごいなあ。
わたしの講演会も、これくらい聞く人を引きつけたいなあ。

講演会の最初にわたしも紹介していただき
kouenkainiojama


終了後に、本を購入してくださった方々にサインをさせてもらった。
また、わたしの本に注目してくださっている
書店員さんや図書館司書の方々にごあいさつすることができた。

ふと、童心社のHさんが、退職後、酒井さんのように
編集者としての経験を語る機会があったら
そのときに、わたしとの仕事の話をしてくれたらいいなあと思った。
そのためには、歴史に残るような物を書かないと。
ああ、でも、Hさんとの秘話って
二人とも誤字脱字を見つけられなかったふし穴1号・2号の話くらいしかないか(笑)

そういえば、昨日の講演会の後
主催の方々や酒井会長と食事をさせていただいたのだけど
そこで、童心社の販売促進部のOさんが、
「野間賞の贈呈式のとき、(担当編集者の)Hさん、涙ぐんでいたんですよ」
と皆さんにお話ししていたのだけど、
実は、あの日、Hさんは目が痛くて眼科に行っていたのだ。
痛さでコンタクトレンズが入らず眼鏡にしていたくらいだ。
目もかなり腫れていたし。
だから、単に目が痛くて(もしくは目薬で)潤んでいただけなのだ。
でも、なんかいい話になっていたので、申し訳ないのでだまっていた。
今、ここで、ネタばらしておきます。


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おかわりへの道

久々の新刊「おかわりへの道」(PHP研究所)の見本が届いた。
okawarihenomichi
イラストは、下平けーすけさん。
下平さんの書くこどもたちは、ほんとうにこどもらしい表情でかわいい。
今回、初めてごいっしょさせていただいて
下平さんの丁寧な仕事ぶりには驚かされた。
給食の食器の形や、おむすびの大きさ
配り終えた後の食缶などの置き場所、
こどもたちの座席(しかもクラス全体の!)
給食は誰が配るのか
給食当番の服装は?
先生は、朝、何をもって教室に入ってくるのか。
いろいろなことについて、下調べした上で
わたしに確認してくださった。
だから、わたしのイメージ通りの教室になっている。

物語は、2年生のかすみが
3学期が終わるまでに、なんとかして給食のおかわり用のおむすびを食べたいと、奮闘する物語だ。
「おかわりの道は、けわしいぞ。ついてこられるか」
と、おかわりの道を伝授する男の子が
わたしのお気に入りだ。
わたし自身、給食が食べられないこどもだったので
おかわりって、すごいことだった。
おかわりできる子を尊敬した。

発売は3月1日の予定。
皆様、どうぞ、よろしくお願いします。

母のひろばと飛ぶ教室52号

童心社が毎月だしている冊子「母のひろば」に
野間児童文芸賞受賞のお知らせを載せてもらった。
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記事になっているのは、
贈呈式に配られた要項に載せた「受賞の言葉」だ。
普通に書店においてあるわけではないので、なかなか見られないと思うので、
ほしいと言われる方があったら、さしあげます。先着5名様。
ご連絡を。


いつも利用している半田図書館の情報は
たいてい図書館のHPで確認する。
新刊情報などは、頻繁に見て、読みたい物はPCから予約を取る。
で、今日も見ていたら、珍しい雑誌が入っているのに気づいた。
「飛ぶ教室52号」
tobukyousitu52
半田市立図書館では、この雑誌は買っていないはずだけど。
もしや……と説明画面を見ると、
内容:「BOOKS 3」山本悦子/執筆 YA図書4冊の書評掲載(p.87) と書いてある。
やっぱり! わたしが書いているページがあるから、入れてくれたんだ。
実は、「飛ぶ教室52号」のYAの書評のコーナーに原稿を書いたのだ。
でも、たった1ページだけだし、
しかも下手っぴーな書評なので、
あんまり言わないようにしてた。
でも、ちゃんと買ってくれてる! 半田市立図書館さま、ありがとうございます。
きっとこれも「郷土資料」ですね(笑)
ついでにお知らせしておきます。
4月25日発売の「飛ぶ教室53号」には、短編の作品を載せます。
これも、どうぞ郷土資料に!

半田図書館は、わたしに関する物は、すべて郷土資料として保管してくださっているのだ。
わたしの書いた本は、アンソロジーを含め、みんなあるし
同人誌「ももたろう」もある。
この前、講演会のうちあわせのとき、担当の司書さんに野間賞の贈呈式のときの「野間文芸賞・野間文芸新人賞・野間児童文芸賞平成二十九年度要項」を、差し上げたらそれも郷土資料になっていた。
「山本さんのことを研究されるかたが、読まれるかもしれないし」
という夢のような話を、司書さんはされていた。
地元贔屓、恐るべし。


さて、3月11日に半田図書館で行う児童文学講座の申し込みが明日から始まる。

日時 3月11日(日) 10時半から12時
対象 中学生以上
入場無料
半田市立図書館に電話で申し込みおねがいします。
☎  0569 23 7171
本を持ってきてくだされば、サインもさせていただきます。
なんなら、写真も。
ハグ……は、う~ん、考えておきます。

市報や新聞に入ってくる情報誌でも告知してくださっているのだが
昨日、それを見ながら、息子その1がいった。
「もしも、誰一人、申し込みがなかったら行ってあげる」
それを聞いた夫が、
「息子その1しかいないなら、図書館でやらなくても家でやればいいじゃん」
家で、息子相手に講演会((((;゚Д゚)))))))
それは。避けたい。
ということで、ご都合のつかれる方は、どうぞお申し込みください。

本当にあった? 恐怖のお話 怪

昨年、「このところ、怖い話の依頼ばかり来る」といっていたのを
覚えておいでだろうか?
その「怖い話」の一つが、もうすぐ発売する。

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PHP出版から「本当にあった? 恐怖のお話 怪」。
恐怖のお話が10編、収められている。

1  「本当に恐ろしいのは……」山本悦子
2  「戻らずの森」緑川聖司
3  「黒いビー玉」堀米薫
4  「長い沈黙」 たからしげる
5  「まぶたがおちるのよ」藤崎あゆな
6  「トリプル☆ 絶叫コースター」柏崎茜
7  「九十九樹」藤真知子
8  「パニック!!」北川チハル
9  「小指姫の小指」立原えりか
10 「がい骨がボートに乗っている」塩野米松

というラインナップ。
この恐怖のお話シリーズは、他にも「闇」と「魔」がある。


発売は、2月22日。
どうぞよろしくお願いします。

川の向こうの図書館

池田ゆみる「川の向こうの図書館」(さ・え・ら書房)を読んだ。
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6年生の竜司は、母と二人暮らし。母は、昼間はスーパーのレジ打ち、夜は居酒屋で働いている。
以前は、「あけぼの住宅」という支援センターに住んでいた。
今の学校には、6年になってから転校してきた。
この学校では、卒業前に班で分かれて自由研究をすることになっている。
グループに入れなかった余りもの3人で、班を組むことになった。
帰国子女の美紀が持ってきた土器のかけらがきっかけで、3人は近所の遺跡を調べることになる。

この物語は、「坂の上の図書館」(さ・え・ら書房)の姉妹編。
「坂の上」で、図書館からだまって雑誌を持っていった男の子・竜司が、今回は主人公になっている。
あの雑誌の一件は、竜司の心の中に色濃く残っていた。
決してぬすむつもりではなく、ただ、カードを作るなどの手続きが面倒だっただけなのだ。
返そうとしてもなかなか返せず、苦労したのだ。
でも、今回、地域の歴史の資料を借りたことがきっかけで、苦手意識が消えていく。
三人のこどもたちの学習意欲はなかなかのもので
こんなふうに資料を読み込み、
楽しみながら調査を進めることはそうそうできるものではない。
でも、竜司以外の二人のキャラクターなら、そうなるだろうなと想像できる。

竜司も母も、今までは都合がわるいことが起これば、
そこから逃げだすという生き方をしてきた。
でも、自由研究の調査や、本を破ってしまう事件を通し、竜司は少しずつ「逃げない生き方」を覚えていく。
そして、それにひっぱられて、母も変わっていく。

図書館や図書室は、本を置いてあるだけの場所ではない。
そこには、人間のドラマがあるのだ。



さて、昨日は、バレンタインデーだった。
スーパーやコンビニにチョコがならべてるのは知っていたのに、
きれいさっぱり忘れていた。
夫にあげたほうがいいのかな。
彼はチョコは好きじゃないし、あげなくても文句はいわないだろうけど。
さびしいかなあ、もらわないと。
コンビニか近所のスーパーくらいなら行ってもいいけど
今いっても、たいしたもの残ってないよなあ。
ということで、苦肉の策で、ホットケーキミックスとゆで小豆(缶詰)と生クリームで
ミニどら焼きを作った。
夫は、あんこ物が好きなのだ。
夫だけじゃなく、二人の息子にも作った。
息子たちは、「いらない」っていうかなと思ったら、
「母さんの手作り?」と確認し(手作りといっても、小さなホットケーキ焼いて、はさんだだけなんだけど)
「じゃあ、もらっとく」と
息子その1はその場で食べ、その2は部屋に持っていった。
ふふ。かわいいじゃないか、うちの息子たち。
ちなみに、息子その3とその4(トイプードル)は、夫からなにもついていないところをおすそわけしてもらってた。

さよなら、ぼくらの千代商店

中山聖子「さよなら、ぼくらの千代商店」(岩崎書店)を読んだ。
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ぼくは、有名中学の受験を目指して塾に通っている。
でも、中学受験の模擬テストの結果が出る日、どうしても塾へ行く気になれなかった。
結果がわるいことがわかっているからだ。
声をかけてきた柄のわるい中学生にやつあたりし、追いかけられる羽目に。
にげているぼくの前に、水色のバスが止まる。
ぼくは、思わずバスに飛び乗った。

「どこかべつの場所に行きたい」と思っている小学生の話が四話収録されている。
みんな、水色のバスに乗っていく。
そして着くのは懐かしい千代商店なのだ。

千代商店は、雑貨屋さんなのだが
結局ここでこどもたちが手に入れるのは、
忘れていた大事な気持ちだ。
人は、みんな、どこかに大切なものを置き忘れているのかもしれない。
千代商店の千代ばあちゃんは、
今つらい思いをしているこどもたちに、それを手渡してくれる。

不思議で、心温まるお話だった。
毎日小学生新聞に連載されていた物語だそうだ。

この本、表紙もいいが、合い紙がとても凝っている。
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極々薄い半透明の紙に、うっすらと木枠のガラス戸と、そのむこうに透けて見える千代商店の棚がかいてある。
「さよなら、ぼくら千代商店」という題名も透けて見える。
素敵な装丁だなあとおもったら
中嶋香織さんのお仕事だった。
「夜間中学へようこそ」の装丁をしてくださった方だ。
赤羽じゅんこさんの「ピアスの星」とか吉野万理子さんの「赤の他人だったら、どんなによかったか」など
中嶋さんの装丁は、本当に目を引く。
いつかまた、中嶋さんに装丁していただけたらいいなあ。

君のいた日々

藤野千夜「君のいた日々」(角川春樹事務所)を読んだ。
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50代の春生、久里子。一人息子の亜土夢は、高校生。
この物語は、一年前に妻(久里子)を亡くした夫の物語と
同じく一年前に夫(春生)を亡くした妻(久里子)の物語が、交互に語られる。
春生の語りでは、久里子は短い闘病の末、あっけなく死んでしまう。
春生は、何かといえば久里子を思い出し、泣いてばかり。
息子からは「泣き親父」といわれている。
久里子の語りでは、春生は会社から帰宅するときに突然たおれ、亡くなっている。
出がけにけんかをしてしまったことを、久里子はずっと気にしている。

この二つのパラレルワールドは、どこかで交わるのかなと思ったのだけど
そういうことはなく
最後まで、それぞれの物語のままで進む。

なんとなく拍子抜けしたのだが
最後まで一気に読めたのは
この二人の、互いを愛おしむ気持ちが、心地よかったからだ。
仲のいい夫婦だったのだなあ。
春生が泣きっぱなしなのに対し
久里子の方が、しみじみとしつつもどこかからりとしているのは
男女差なのかな。個人差なのかな。

最後の久里子の語りで分かれ道の話が出てくる。
「どこかではぐれないように。
 はぐれてもまた会えるように」
お守りを買ったのだ。
これは何を表すのだろう。
どちらかが死んでも、夫婦は寄り添って生きていくのだということなのかな。

満月の娘たち

安東みきえ「満月の娘たち」(講談社)を読んだ。
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同じ日に生まれたわたし、志保と美月。
住人が亡くなったために空き家になっている屋敷に、美月の片思いの男子も誘い、肝試しに行く。
しかし、近所の人に通報され警察のお世話に。
その後、空き家の持ち主の女性の所にお詫びに行く。
持ち主の名は繭さん。
空き家となっている家は、繭さんの実家で、そこで亡くなったのは母親だった。
自由な繭さんに惹かれる志保。
繭さんは、空き家になっている実家に手をいれ、もどる予定だという。
しかし、繭さんの様子が少しずつおかしくなっていることに志保は気づく。

この物語には、三人の娘と母が出てくる。
志保の母、美月の母、そして繭の母。
この物語は「母と娘」の物語だ。

物語の中で母親の言葉を「魔女の呪い」という場面が出てくる。
わたしも、母親の言葉は「呪い」だと思ったことが何度もある。
腹が立つし、絶対にいやだと思うのに
その通りにしてしまう呪い。
母が亡くなって十年以上経つのに
時々まだ縛られている自分に気づくときがある。
だから、繭さんの気持ちはものすごくわかる。
でも、もしかしたら母親の方も何かに縛られているのかも。

印象に残っているシーンが二つ。
美月と志保の会話で、
もし生まれるとき、天使に、今から下界に下りると、ややこしいこともいろいろあるけど、どうする? 生まれる? みたいなことを聞かれたら、どうするかと考えるシーン。
二人の会話がすごくいい。
もう一つは、二人が幼い頃、どこまでもついてくる月を振り切ろうとしていたという場面。
志保は、「誰にとっても月はおかあさんなのかもしれない」と考える。
「みんな、本当はおかあさんなんていなくて、平等にひとりぼっちなのかもしれない」

けっこう重たいテーマをかかえているけれど、
粘り着くような重さではなく
さばさばと読み進んでいける。
とても読み心地がよかった。
この作者の本では、これが一番よかった気がする。

大家さんと僕

矢部太郎のエッセイマンガ「大家さんと僕」(新潮社)を読んだ。
ooyasanntoboku
お笑いコンビ「カラテカ」の矢部太郎(作者)とアパートの大家さんとの日常を書いている。
アパートといってももともと二世帯住宅として建てられた家の1階に大家さん、2階に矢部が住んでいる。
大家さんは、87歳。
どう見てもいいとこのお嬢様だったと思われる。
挨拶は「ごきげんよう」。ゆっくりゆっくり動かれる。
夜に矢部の洗濯物が干してあると「夜露に濡れたものを着ると体によくない」と取り込んでくれる。
お昼ごはんに誘ってくれたり、お茶に誘ってくれたりする。
はじめは大家さんとの距離の取り方に戸惑う矢部だが
やがて、静かに、ゆっくり、寄り添うようになる。
大家さんは、戦争のときのこととか、昔の東京の様子とか、好きだった人の話とかしてくれる。
矢部の舞台を見に来てくれて
他の人とはちがう視点で褒めてくれる。

大きな事件はなにもないのだけれど、読んでいると暖かい気持ちになる。
わたしも大家さんと話してみたくなるけれど
わたしはきっとこの作者みたいなやさしい目で見られない。

ちょっと浮き世離れしたもとお嬢様と
現代人離れした作者とのやりとりだからいいんだな。

矢部太郎は、むかし「進ぬ 電波少年」で見てた。
風が吹いたら飛んでいきそうに痩せてて
めちゃめちゃひ弱そうなのに
アフリカの部族の村に飛ばされたりしてた。
いつ見てもひどい目に遭ってて
頑張った割には、その後あまりテレビで見ることもなくなってしまった。
エッセイ漫画という新しい活路が見つかってよかったなあ。
プロフィール

yamamoto etsuko

Author:yamamoto etsuko
「神隠しの教室」(童心社)で、第55回野間児童文芸賞受賞。「先生、しゅくだいわすれました」「がっこうかっぱのイケノオイ」「ポケネコにゃんころりん」シリーズ、「テディベア探偵」シリーズ、「夜間中学へようこそ」などの著書を持つ児童文学作家。愛知県半田市在住 児童文学同人誌「ももたろう」同人、日本児童文学者協会会員 JBBY会員
〔家族〕 夫 息子その1(人間) 息子その2(人間)、息子その3ルウ(トイプードル) 息子その4モカ(トイプードル)

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