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母のひろば新刊紹介

童心社の冊子「母のひろば655号」
hahanohiroba121
新刊紹介に
作家の栗沢まりさんが、紹介文を書いてくださった。
hahanohiroba122
『目には見えない大切なたからものが詰まった「ぎゅうっ」と抱きしめたくなる1冊です』
と、すてきな紹介を書いてくださった。
栗沢さん、ありがとうございました。


さて、お正月間近。
明日は、真剣に大掃除&お墓参り。
あさっては、お正月用の料理を作る。
といっても、ちゃんとしたおせち料理なんて作れないので
「昆布巻き」とか「伊達巻き」とか難しいものは買ってきた。
わたしが作るのは、「栗きんとん」「紅白なます」「筑前煮」「たつくり」くらい。
かまぼこは切って並べるだけ。
数の子は塩を抜くだけ。
あとは、ローストビーフをつくって
そうそう、我が家のお正月に欠かせないのは「ぜんざい」!

わたしが子どものころ、
お正月は、いつも30人くらいが集まっていた。
父は7人兄弟の長男で、祖父母も一緒に暮らしていたので
お正月は兄弟みんなが、それぞれのお嫁さんや子どもを連れてくるからだ。
父をはじめとして、叔父たちは、誰もお酒が飲めなかった。
そこで、母は大鍋いっぱいのぜんざいを作り振る舞っていた。
酒の代わりにぜんざい。しかも、かなり甘い。
砂糖が貴重だった時代に育った人は
甘さは贅沢の象徴だったのだ。
お正月のぜんざいは、甘くなくてはいけない。
わたしは、このぜんざいが嫌でしかたなかった。
甘すぎるし、大嫌いだった。

両親が他界し、もう長い年月がたった。
叔父たちも、今はそれぞれの家で、孫たちがたずねてくるのを待っている。
だけど、お正月になるとぜんざいをつくらないといけない思いに駆られる。
あんなに嫌いだったのに、お正月にはぜんざいだ、と思う。
甘いものがそんなに好きではない甥っ子たちもみんな、食べて帰る。
もちろん息子たちも。
彼らの頭の中にもきっと、すりこまれている。
『お正月はぜんざい』
よその人から見たら「なんじゃ、そりゃ」なんだろうなあ。

もしかしたら、どこの家にもこういう
なぞの慣習があるのかもしれないな。
3世代くらいたどると、理由がわかるようなへんな慣習。
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魔女が相棒? ねぐせのヤマネ姫

柏葉幸子「魔女が相棒? ねぐせのヤマネ姫」(理論社)を読んだ。
yamanehime
見た目も勉強もだいたい平均点のサヤ、5年生。
最近いやな夢を見る。誰かがベッドをのぞきこんで、相談しているのだ。
何日も続いたとき、我慢できずに目を開けたらそこには魔女が二人。
そしていつの間にか、サヤはお城の塔につれられてきていた。
魔女は、「一日だけつきあってほしい」という。
「用が済めば帰してやるから」と。
サヤは、なんでも納得しないと気がすまない。
どうしてつきあわないといけないのか。
今から行くお城の人たちは、なぜ呪いにかけられたのか。
自分は誰の身代わりで、今から何をするか、などなど。
ただの身代わりだったはずが、サヤは、自ら魔女の呪いのなぞをとくことに。

サヤの相棒となる魔女の名は、ホーライ。
サヤがつけたのだ。
「本当はこんな仕事したくないけど、他にすることがないからしょうがないっていう雰囲気をまき散らしてラーメンを運んでいる宝来軒のお姉さん」みたいだからだ。
絵本によく出てくる魔女とはずいぶんイメージがちがう。
太ってて、若くて、なげやりだ。
お城を守るために雇われていたのに、まんまといっしょに呪いにかけられている。
このホーライとサヤのかけ合いがおもしろい。
なんでも平均点だったはずのサヤは
本当は勇気があって、たくましい女の子だった。

夜中に「ちょっとだけ」って読み始めたら
ワクワクしてきて結局最後まで一気に読んでしまった。
魔女を相棒として、たくましく活躍する女の子。
でも、実は、自分とよく似た平均点の普通の子。
わたしが小学生だったら、
きっと自分とサヤを重ねたことだろう。

装丁も、すごくかわいい。
扉絵にかくされた秘密に気づく子、何人いるかな。
気がついたら「あっ!」って、笑顔になると思う。

これ、多分、シリーズ化するんですよね? 柏葉さん。

鬼ヶ島通信70+1号

鬼ヶ島通信70+1号が発刊された。
onigasima701
今回は、大幅なリニューアルがされている。
表紙の紙の質からしてちがう。

今回はファンタジー特集。

目次を見て、豪華な執筆陣に驚いた。

巻頭に岡田淳!
片川優子、みうらかれん、黒川裕子、石川宏千花、萩原規子とそうそうたるメンバーがつづき
ファンタジーについての座談会に、柏葉幸子、斉藤倫、那須田淳。
野上暁の「角野栄子・作品世界の魅力」
戸森しるこの短編、内田麟太郎の詩、
連載として、宮越暁子、河合二湖、柏葉幸子、小野裕康、
那須田淳のエッセイ。
どういう人脈をもつと
こんな豪華な執筆陣がそろうのだろう。

今号から、わたしも連載をさせてもらうことになった。
「ボーダレス(仮)」
YAのつもりで書いている。
鬼ヶ島通信の新人発掘コーナー「ももたろう」卒業生のわたしが
「鬼ヶ島通信」で連載するというのは
格別な思いがある。

とうとう鬼ヶ島に上陸しました!

「ももたろう」にも元「ももたろう」にも、手を振りたい気持ちだ。

鬼ヶ島通信、読んでみたいなという方は
「鬼ヶ島通信HP」から申し込みができます。
鬼ヶ島通信HP

ぼくとニケ

片川優子「ぼくとニケ」(講談社)を読んだ。
bokutonike
幼なじみで、今、不登校を続けている仁菜が
ぼくの元に一匹のちいさなねこを連れてくる。
捨てられていて弱っている。
自分の家にでは買えないので
ぼくの家で飼ってほしいというのだ。
子ネコはニケと名付けられ、ぼくの家で飼われることになった。
家族の生活は、ニケを中心に回り始める。
すくすく育っていたニケだったけれど
おなかがポコンとふくらんでいるのが気になった。
お父さんがおやつでもあげているんだろう。
けれど、それは間違いだった。

生きものを飼うこと。
命を預かるということがどんなことなのかを考えさせる一冊。
責任を持って飼うということは
その命の終わりまで、しっかりと看取るということなのだ。
「安楽死」について考えさせる場面もある。

獣医さんが診察をする場面が何回か出てくるが
ここが、本当にリアルだ。
というのも、作者は現役の獣医さんなのだ。

作者・片川優子は、若干15才で講談社児童文学新人賞を受賞しデビューしている。
そのまま作家になるものだと思っていたら
大学で獣医学科に進んで、獣医になったと聞いて驚いた。
現在は、獣医師・作家の兼業だ。
才能のある人は
いろんな面で優秀なのね。

表紙絵のねこがすごくかわいかった。

書店さんまわり

昨日は、童心社の販売促進部のOさんと
書店さんにあいさつに行った。

最初に、イオン大高店の未来屋書店さん。
ここは、前に個人的に見に来ている。
ootumiraiya2018
2018miraiya12
「先生、しゅくだいわすれました」をどこよりもたくさん売ってくださっている本屋さんと聞いている。

次にらくだ書店東郷店さん。
初めて行った本屋さんだったが
とてもすてきなお店だった。
rakudashoten
Oさんから、「ここの店長さんは、本のことなら何でも知っているのよ」と教えてもらっていた。
Oさんとのやりとりを聞いていても、それは感じられた。
商売として本を扱っているだけではなく
本への愛情が感じられた。
こんなお店で、販売してもらえているのがうれしかった。

そして、最後にいった正文館書店本店さんは
入ったとたん、「ああ、ここだ!」と思った。
以前、夏に合評会でウィルあいちという施設をおかりすることになった。
わたしは係をやっていて、会のあとに打ちあげ会をする場所をさがさなくてはいけなかった。
暑い最中、ウィルあいちから徒歩10分圏内をぐるぐる探し回り
「ああ、もう暑くて死んじゃう」というときに、1件の本屋さんを見つけた。
ここで涼もうと思って中に入ると
間口は広くないのに奥行きがあり、たくさんの本がならべてあった。
そう! リアル「ぎりぎりの本屋さん」!
児童書コーナーは横の小部屋になっていた。
その児童書のコーナーの充実していること!
うれしいことに「先生、しゅくだいわすれました」も平積みされていた。
ほかの書店にはないような本もたくさんみつけた。
なんてすてきな本屋さんだろう。
たっぷり1時間はいたと思う。
でも、ぐるぐる歩き回ったときにみつけたお店なので、場所が把握できていなかった。
二度と行けないと思っていた。
ああ、また来られるなんて……!
seibunkan
ここは、わたしの特設コーナーを作ってくださっていた。
Oさんが、童心社以外の本も、どんどんお薦めしてくださるので
「夜間中学」も「おかわりへの道」も並んでいる。
この日のために書いたミニ色紙も、さっそく飾ってくださった。
児童書担当の方は、以前、名古屋で講演会をしたとき、来てくださった方だった。
この方も「児童書について、いくらでも語れます」という
熱い思いの感じられる方だった。

わたしの本は、どんな場所で、どういう人たちを経由して
読者の人たちに届けられているのか。
書店さんを回ることで実感できて、本当に楽しかった。
来年の1月も、いろいろなお店をまわる約束をOさんとした。

野間賞贈呈式

昨日は、野間賞の贈呈式だった。
歴代の受賞者は招待状がいただける。
もらってから、しばらく迷っていた。
12日に府中に行くことは決まっていたので、
1週間もたたないうちに、また上京するのは、しんどそうだ。
やめようかなあ……と思っていたのだけど
〆切り直前になって、やっぱり、行こう! と決めた。
今年の野間児童文芸賞の安東みきえさんのスピーチも聞きたかったし
なにより、行けば、きっと自分のモチベーションも上がると思ったからだ。

少し早めに会場に行くと、入り口で
「昨年の受賞者の山本悦子さんですよね」と
声をかけられた。
わたしの顔なんぞ、誰も覚えていないだろうと思っていたのでびっくりした。
さすが、天下の講談社。
社員さんも記憶力のいい優秀な方がそろってるのに違いない。
でも、知られていたら知られていたで、ちょっと居心地が悪い。

会場の入り口に歴代の受賞作と作者名が掲示してあった。
2918121711
後ろから二番目のところにわたしの名前と作品名が書かれていた。
ああ、こうやってわたしは歴代の受賞者の中にいれてもらえたんだなあとしみじみ思った。

安東さんのスピーチは、
ご自分の執筆の仕方や、作品への思いを語られたものだった。
かつて宝飾関係のお仕事をしていたころの
最後の仕上げの作業の話などを創作に重ねて話された。
意外にもこの作品は、初めての長編だったらしい。
最後に、ご家族や編集者さん、同人誌「拓」の皆さんに謝辞を述べられていた。
贈呈式前にお話ししたときは、「緊張するから、原稿を読むわ」
とおっしゃっていたけれど、一度も原稿を見ることなく
よどみのない、自然なスピーチだった。

舞台上の安東さんは、とても美しく
輝いて見えた。
もちろん、もともとお美しい方なのだけど
やっぱり、あの場にたつ喜びと誇りで、より一層輝いていたのだと思う。

自分が一年前にあの場に立っていたなんて
今となっては信じがたい。
でも、わたしは、去年、あの場で「末吉先生のように一生書いていきます」と宣言したのだ。
がんばらなくちゃ。



さて、話は変わって、帰りの新幹線。
月曜日の夜だというのに、結構混んでいた。
でも、わたしの隣はラッキーにも空いていたのでのんびりしていた。
名古屋につく20分くらい前、突然アラーム音がなりだした。
後ろから聞こえてくる。
ちっとも止まらないので、後ろの座席をみたら、いない。
通路の向こうにいたサラリーマンふうの人たちが
「名古屋で乗り過ごさないようにアラームセットしたのかな」とつぶやいてて
ああ、なるほどね、と思った。
数分鳴り続けたあと、四,五十代の男性が帰ってきて席に座ると止まったので、その人が止めたんだと思っていた。
しかし、数分後、また鳴り始めた。
スヌーズかいっ!
座席に座っているのに、なぜ止めないのだろう。
周囲の人たちも、ちらちら見ている。
真後ろから聞こえてくるので、後頭部に響く。
先ほどと同じように数分後、ようやく止まった。
しかし、また五分後にアラームが。しかも、また止めない!
どうなってるんだ?!
周囲の人たちの視線に気づいたのか、
うしろの座席からカバンを開けたり、コートを探ったりする音がしてきた。
もしかして、自分だって気づいてなかったのか?
立ち上がり、あちこち見回し始めた彼は
いきなりわたしをのぞきこんでいった。
「なにか鳴ってますよ」

おめえだよっ!

といいたいところだけど、大人なので
「わたしではないです。そちらですよ」
とやんわり言い返した。

その後、彼は無事音源を見つけたらしく
音は止まり、
名古屋で下りていくときにわたしに一礼していった。
わたしも、礼をかえしておいた。
なんか笑えた。

いつか、お話のネタに使えるかな。
覚えておこうっと。

手をつないだままさくらんぼの館で

令丈ヒロ子「手をつないだままさくらんぼの館で」(角川書店)を読んだ。
sakuranbonoyakata
大学を休学して、作家生活を送っているぼく、颯太は
遠縁のおばあさんの入院中、住み込みで家を管理することになる。
おばあさんの家は、白桜館と呼ばれる古い洋館。
執筆をするだけなら、どこで書いていても同じだから
管理人のバイトだと思えばいいと、母親から勧められたのだ。
白桜館に住み始めた矢先、りりなという10才の少女が訪ねてくる。
実はおばあさんの孫で、最近両親を亡くし、おばあさんと暮らすことになったらしい。
おばあさんが退院するまで、面倒をみることになった颯太。
りりなは、ナマイキで、無邪気で、お姫様気質。
はじめは「小さい子の面倒なんてみられない」と思っていたのに
いつのまにかりりなを愛おしく感じるようになり「甘甘のパパ」になっていく。
しかし、おばあさんの退院が決まり、別れが近づいてきたとき
世界をひっくり返すような事件が起こる。

りりなの既視感のある発言。
ときおりふっと垣間見える違和感。
これは、何を表すのかなあと思ってたら
ええっ、そこからですか?
驚きの展開だった。

好きだなあ。こういう話。
読み終えたあと、
しみじみと、物語全体をふり返り、
「そういうことだったのか」
「そういう思いが隠されていたんだな」
たっぷりと、余韻に浸った。
悲しい物語なのだけど、癒やされた。
読んでよかった~。

府中市で講演会

昨日は、東京の府中市で先生方対象の演会を行った。

府中訪問での最大の不安は「京王線に乗り換えられるか」という低レベルなもの。
品川まで新幹線で行って、山手線に乗り換え新宿まで。
ここまでは慣れたものだ。
しかし、「京王線」に乗り換えたことがない。
行けるか? 乗り場に。

ネットで乗り換え方法を検索し
それをノートにメモし、
よし、これでいいぞと思ったら、甘かった。

名古屋に行くには、最寄りの駅からJRに乗るのだけど、
駅に行ってびっくり。
電車が遅れてる!
しかもいつ来るか、わからない。
都会とちがって、他の線で行くなんてことはできない。
なんにしても予約していた新幹線には乗れない。
スマホで、予約を変更する。
スマートEXにしといてよかった。
予定を変更し30分後の新幹線にしたのに
まだ電車が来ない。
更に後の新幹線にまた変更。
変更したら、それに乗ると、何時に新宿について、何時の京王線に乗れて
何時に会場に着けそうか調べる。
もともと、講演会は、かなり早めに行って
向こうで時間調整をすることにしているので
40分ほど電車が遅れても、間に合いそう。
でも、念のためお世話をしてくださっている先生にメールを送る。

予定よりかなり遅れて新宿に到着。
「中央西口」に向かうのは調査済み。
お上りさん丸出しで、キョロキョロして
「京王線」の表示を探しながら進む。
みんながみんな、京王線に行くわけはないのだけど
人の波について行ったら、
おおっ! 無事京王線の改札に到着!

始めに下りていったホームでは、先に来るのは各駅停車、
それより10分くらい遅れて準急がくる。
各駅停車でいいのかな……。
悩んでいると、もう一つホームを発見。
そちらに行ってみると、すぐに特急がくることがわかった。
これなら余裕を持って着くはず。

府中についてからも、当然道に迷ったので
駅の付近にいたボランティアの方に、
「第一小学校って、どうやっていけばいいですか?」と聞き、
なんとか到着。
講演開始30分前。セーフ。
心底ホッとして
もうここで一日の仕事終了みたいな気分になりかけていた。

いかんいかん。
仕事はこれからだ。

学校に入ると、係の先生が
小走りで出てきてださった。
満面の笑みだ。
初対面なのに
「あれ? わたし、この人知ってるかも」
と思った。

でも、それだけじゃなかった。
府中市の先生方は、なぜか、知り合いに似た人が多かったのだ。
顔だけじゃなくて、話し方や
立ち振る舞いが似てる。
本人じゃないかと確かめたくなるような人もいた。
もとの同僚や友人や教え子が、東京まで来てくれたんじゃないかという錯覚に襲われ、
不思議な気分で話をした。
遠くの見知らぬ町で講演会をしているのではなく
親しい人たちにかこまれて
おしゃべりをしている気分だった。
だから、昨日のわたしはかなりリラックスして話していた。
先生方は、わたしの本をよく読んで来てくださっていた。
そういったことは
話をしていると、空気で伝わってくるので
ありがたかった。

講演会が終わってから
品川まで戻り
イラストレーターの沢音千尋さんと待ち合わせて
食事をしながら
ちょっとだけ打ち合わせをした。
まだ、詳しくはいえないが来年、またいっしょに仕事をする予定。
沢音さんとは、童心社のポケネコシリーズ以来
ずっとご縁が続いている。
今度も楽しく仕事ができたらいいなあ。

帰りの新幹線でTwitterを見たら
わたしが朝書き込んだ
「京王線に乗れるか?!」という書き込みに
みなさんがいろいろリツイートしてくださっていて
なんだか盛り上がっていた(笑)
みなさん、山本悦子は京王線を無事攻略できました。
ありがとうございました。

みけねえちゃんにいうてみな

村上しいこ「みけねえちゃんにいうてみな」(理論社)を読んだ。
mikenechan
2年生のともくんは、おかあさんとみけねえちゃんと暮らしている。
このごろ、ともくんの様子がおかしい。
自分のことを「うーちゃん」なんていいだすし、
元気もない。
学校でなにかあったんだろうか。
おかあさんに、みけねえちゃんに学校に行って見てきてほしいとたのむ。


村上しいこの幼年童話は、いつも設定が強引だ。
同級生がワニだったり、
マンホールがあとをついてきたり
冷蔵庫が夏休みをとったりする。
でも、「なんだ、それ」とつっこむスキをあたえない。
あれよあれよという間に
読者は、そのヘンテコ設定の物語に引き込まれていく。

今回も、そうだ。
みけねえちゃんはねこなのに
テレビを見ながらエクササイズなんぞしている。
おかあさんはおかあさんで、当たり前みたいに
「ちょっと、ともくん、さがしてきて」なんてたのんでいる。
でも、全然違和感はない。
なんだろう、この立ち位置は。
人間のお姉ちゃんではなく
お父さんでもなく
同居人?
そう、ねこの同居人だ。

見てほしい。
このみけねえちゃんの面構えを。
ネコっていうのは、ふてぶてしいとわたしは常々思っている。
っていうと、ねこ好きに叩かれそうだから言い直そう。
堂々としている。
たしかに「いうてみな」とかいいそうだ。

こどもにはこどもの悲しみが
おとなにはおとなの悲しみが
胸の中にあるんだよ。
でも、そんなときは
みけねえちゃんにいうてみな。
そんなお話。

余談だけど
みけねえちゃんのモデルは、しいこさんのとこのネコかな。

ぎりぎりの本屋さん

まはら三桃・菅野雪虫・濱野京子・工藤純子・廣島玲子「ぎりぎりの本屋さん」(講談社)を読んだ。
girigiri
路地にある小さな古い本屋さん。
間口は狭いのに、中に入ると図書室くらい広い。
地下もあるようだ。
青いエプロンの少年が、訪れるお客にぴったりな本を手渡してくれる。
ただし、そこを訪れるのは、ぎりぎりな人。

そんなつもりはなかったのに、いじめに加担してしまって
ギリギリ泣くのを堪えている少女。
顔も知らない親戚のお葬式へ向かう列車の中で読む本を
ぎりぎりの時間に探しに来た男の子。
妹の誕生日にプレゼントを買うお金がわずかしか残ってなくて
ぎりぎり買える絵本をさがしにきたお兄ちゃん。
などなど。
みんな「ぎりぎり」なのだ。

第1話、まはら三桃の「ひとつ多い“な”」で、
本屋さんの中の様子が語られる。
お客さんが本を選ぶと、
その人にぴったりのイスが現れて、
そこでゆったりと試し読みをすることができる。
それは、焼きたてのパンケーキみたいにふっくらとしたソファだったり
座椅子だったり、マッサージチェアだったり、たたみだったり。
ここだけで、「いいなあ。この本やさんに行きたい!」と思った。

ぎりぎりの人だけが訪れるぎりぎりの本屋さん。
なんて面白い設定なのだろう。
その設定を元に
それぞれの作家が個性的な「ぎりぎりの話」を書いている。

この5人は、全員「2006年デビュー」で、
デビュー10周年のとき、「日本児童文学」で対談をしていた。
「2006年組」と呼ぶのだそうだ。
アイドルみたいで、かっこいい。
刊行記念に書店さんで5人のトークイベントなどしていて
すごいなあと思った。
「ぎりぎりの本屋さん」の前にも「ぐるぐるの図書室」という本を出している。
これが好評だったからの、第2弾にちがいない。
いっしょにデビューした同期のメンバーが
5人ともバリバリ書いている売れっ子なのは、めったにないのだろうな。

わたしと同じ年にデビューした人って誰がいるんだろう?
22年前。
また、調べてみよう。


今日は、天気が悪いせいで底冷えがした。
なので
20181206
2匹並んで、膝掛けでぬくぬく。
トイプードル、けっこう寒がりなんだとおもう。


プロフィール

yamamoto etsuko

Author:yamamoto etsuko
「神隠しの教室」(童心社)で、第55回野間児童文芸賞受賞。「先生、しゅくだいわすれました」「がっこうかっぱのイケノオイ」「ポケネコにゃんころりん」シリーズ、「テディベア探偵」シリーズ、「夜間中学へようこそ」などの著書を持つ児童文学作家。愛知県半田市在住 児童文学同人誌「ももたろう」同人、日本児童文学者協会会員 JBBY会員
〔家族〕 夫 息子その1(人間) 息子その2(人間)、息子その3ルウ(トイプードル) 息子その4モカ(トイプードル)

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