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ももたろう50号

児童文学同人誌「ももたろう」50号ができあがりました。
momo50
創刊25年。
最初から参加しているわたしにとっては、感慨深い号です。

今回は、読者の皆さんや
作家の那須田淳さん、柏葉幸子さん、千葉幹夫さん、押川理佐さん、
評論家の野上暁さん、
イラストレーターのひらのてつおさん、
そのほかお世話になっているたくさんの方々からいただいたメッセージも掲載しています。

昨年「右手にミミズク」でデビューした蓼内明子さん
図書館シリーズで人気の池田ゆみるさんの作品も載っています。
もちろん、わたしの作品も載っています。


読んでみたいなと思われる方は
「ももたろう購読希望」ということで
住所、氏名、希望号数を明記したメールをいただければ、すぐお送りします。
(代金は、振込用紙を同封します)
momodoujinsi@yahoo.co.jp
にメールください。
送料込みで1冊600円です。
バックナンバーも販売しております。(ももたろうHP バックナンバーを見てください)
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絵本作家のブルース

長谷川義史「絵本作家のブルース」(NPO 読書サポート)を読んだ。
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季刊雑誌「この本、読んで!」(一般社団法人 出版文化振興財団)に2010年秋号から2018年秋号まで掲載されたイラストエッセイ(こんな言い方するのかな?)
幼い頃の話や、絵本作家になるまでのエピソード、講演会の話や、日々の話などなど
絵のイメージと同様、とっても個性的で面白かった。

時々登場するAB弘士氏や、T畠純氏、K端誠氏、スズキコージ氏(まんまですけど)とのやりとりに
なるほど、絵描きさんは絵描きさん同士のネットワークがあるんだなと思った。

そして、感動したのは、奥さんだ。
結婚したときは、作者はまだ勤めていたのだが
「早く勤めを辞めなさい」
「勤めてる場合とちゃう。絵だけに専念した方がいいから」
そして、絵本の出版の話が来たときは
本人より先に
「1ヶ月後に提案させます」と編集者に宣言してしまう。
誰よりもはやく才能に気づき、信じてたんだろうなあ。

長谷川義史は、好きな絵描きさんだ。
一度くらい描いてもらいたいと本気で思っているけれど
わたしの文章にはあわないかも、とも思う。
この絵がついたら、わたしのぼんやりした文章は一瞬にしてかすんでしまう。
みんな、絵しか見ない。
だから、村上しい子との「れいぞうこのなつやすみ」なんていうのはすごくうらやましかった。
絵と文が、ぴったり。

そして、もう一つ好きなのが、この文字。
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わたしは、よく毛筆の文字がうまいと褒めていただくのだけれど
もともと教員時代、賞状に名前を書くという仕事で腕を磨いたので楷書しか書けない。
お行儀のいい読みやすい字に寄せてしまう。
こんな味わい深い文字は、絶対に無理。
いいなあ、こういう字が書ける人。
センスの問題だよなあ。

このエッセイ、まだ連載中ということなので
きっと第二弾もでるのだろう。
読もっと。

ポーン・ロボット

森川成美「ポーン・ロボット」(偕成社)を読んだ。
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ぼく・千明が黒ずくめのタイツの男を見た翌日
同じクラスの正太郎が一家そろって消えてしまった。
その事件が解決せぬまま
夏休みの最初の日、不思議な少女に出会ったところで記憶が途絶え
千明が次に目を覚ましたときは
家族どころか家まで消えてしまっていた。
町では、家族が突然いなくなり、身寄りのなくなった子どもが増えていた。
いったい、何が起こっているのか。

どこをどう話しても全てネタバレにつながってしまうので
詳しいことはいえないが
こんな未来は、すぐ近くに迫ってきているのかもしれない。

最初、友だちが失踪してから
千明の家が跡形もなく消えてしまうまでの展開の速いこと!
SFものは、こうでなくちゃ。
展開の速さに引っぱられて、どんどん読み進めた。

アシモフのロボット三原則では、
ロボットは人間に危害を及ぼすことはできないが
「人間を殺すために作られたロボット」なら、可能なのだな。
人間の代理としてロボットが戦争をする時代は来るのかもしれない。

「マレスケ」では、戦争を
「さよ」では、歴史物を
そして、今度はSF。
森川成美という作家は、どれだけ引きだしを持っているのだろう。


ロボットというと、思い出すことがある。
20年以上前だ。
6年の国語の教科書に「人間がロボットを作った」という単元があって
最後に、こどもたちに「ロボット企画書」を作らせた。
「売れない作家の本を、道行く人に売りつけるロボット」(なんだ、その設定は)
「人間の体に入って、悪い部分だけを治療するロボット」
「体の不自由な人の介助をするロボット」
「ペットロボット」
「子どもの代わりになるロボット」
「一人暮らしのお年寄りの話し相手になるロボット」
など、こどもたちは、様々なロボットを考えてくれた。
それから何年かしてアイボ(犬型ロボット)が発売され
介護する人たちの負担を軽減するロボット(身につけるタイプ)が考え出され、
おしゃべりをするロボットが雑誌の付録にまでなり
こどもたちの想像したものが
どんどん現実のものになっていくことに感動する。
「売れない作家の本を、道行く人に売りつけるロボット」だけはできてないけど(笑)←忘れていると思うけど山岡くん・石川くんの企画です。

妖怪一家のウェディング大作戦

富安陽子「妖怪一家九十九さん  妖怪一家のウェディング大作戦」(理論社)を読んだ。
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ヌラリヒョンパパの勤める化野市役所の地域共生課に
若い狸のカップルがやってくる。
山からお客さんを招いて結婚式がしたいという相談だ。
「人間式の結婚式をする」といってしまったらしい。
山からやってくるお客さん、狸31ぴき、ケモノ12ひき、妖怪3びき。
共生課の計らいで、なんとか式の算段は整えることができた。
しかし、式の前に、狸が三匹と妖怪たちが迷子になってしまった。
人間たちに気づかれないうちに探し出さなければいけない。

妖怪一家九十九さんシリーズ第8弾。
よく、まあ、ネタが尽きないものだと思うほど
次から次に事件が起こる。

今回は地域共生課の女神さんのヘンテコな家族も出てくる。

でも、わたしが一番好きなのは
やまんばのおばあちゃん。
いつも誰かを頭からバリバリ食ってやろうとねらっている。
そして、かならずそれを悟りのサッチャンに見抜かれる。
ここに出てくる妖怪たちは、
みんな、憎めない。

富安陽子の作品は
子どもに読ませることをきちんと意識しているところが好き。
こういう作家になりたい。

わたしが少女型ロボットだったころ

石川宏千花「わたしが少女型ロボットだったころ」(偕成社)を読んだ。
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中学の卒業式まであと1週間というころ、
わたし・多鶴は、突然「自分はロボットだったんだ」と思い出す。
そのことを忘れるようにプログラミングされていたのに、思い出してしまった。
ロボットなら食べなくていいはずだと、食べるのをやめてしまう。
急に食べなくなった娘に母親はあわてる。
多鶴は、どんどん痩せていき、町で出会った人が目を見張るほどだ。
つれられていった病院で「摂食障害」と診断される。
多鶴は、幼なじみのまるちゃんという男の子にだけ
自分はロボットなのだと打ち明ける。
まるちゃんは、多鶴のいうことを信じてくれて
どうしたらいいのか、いっしょに考えてくれる。

お話は、朝食の場面から始まる。
口にオムレツを運びそうになった瞬間「あれ?」と思う。
「わたしは、なんで食べようとしているのだろう。そんなもの必要ないのに」

本当にロボットなのかな。
近未来ものかと思ったが、そうでもない。
そんなアンドロイドがいる設定でもなさそうだ。
ロボットでないとすれば、なぜ「ロボット」だなんていうんだろう。
その謎は、徐々に明らかになってくる。

まだ、世界のどこにも人間と見分けが付かないくようなロボットはできていない。
そんな事実を聞いても、
自分をロボットだと疑わない多鶴を、まるちゃんは、ずっと肯定してくれる。
二人とも「それどころでない」同士だから
恋愛関係にはなれないといいながら
最後の最後まで味方でいてくれるまるちゃんは、
なんてかっこいい男の子なのだろう。
多鶴が、粉々に壊れてしまわなかったのは
まるちゃんのおかげだ。

読んでいると、ずっと不安定な気分が続く。
というのも、多鶴の姿が見えないのだ。
顔つきも、表情も見えない。
彼女が、他人から見てぎょっとされるほど痩せてしまっていることも
ずいぶん後になってわかる。
読者が、多鶴をわからないように
多鶴も自分が見えていない。
この物語は形を失ってしまった自分を追い求める話なんだ。
多鶴の繊細な感情を理解するには
わたしは、図太くなりすぎてしまっているのだろう。
でも、思いだした。
自分も15歳の少女だった頃は、いつだってぎりぎりのところにいたこと。

余韻の残る作品だった。

母のひろば658号

童心社の月刊冊子「母のひろば」658号に
いとうみくさんとの対談を載せていただいた。
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お話を書き始めたきっかけや
物語を思いつくきっかけ
物語を書きたいと思っているこどもたちへのアドバイスなど
お話しさせていただいた。
この「母のひろば」、わたしは毎月読ませていただいているのだけれどすごくおもしろい。
一番楽しみにしているのが巻頭のエッセイ。
今回は、早乙女勝元氏の「12歳の孫たちに語る」
筆者が12歳の時の東京大空襲の話だ。
毎回いろいろな方が書いている。
特に決まったテーマはないようで
だからこそ、多岐にわたっていて楽しい。
富安陽子さんのときは、吹きだした。
少し前の号になるが「わたしの原風景」というコーナーに書かれた
あさのあつこさんのエッセイも絶品だった。

「母のひろば」興味のある方は、童心社まで(母のひろば
1年定期購読しても600円という安さ。
自動更新でないのもありがたい。


先日も話題にしたアザレア、あれからどんどん蕾がひらいて
満開になった。
azareamankai
もうダメかと思ってたのに、ウソみたい。
花が咲く。
それだけのことだけど、とてもうれしい。

つくられた心

佐藤まどか「つくられた心」(ポプラ社)を読んだ。
tukuraretakokoro
近未来を描いたSF。
都市では、あらゆる道、電車、バス、建物の中にスーパーセキュリティシステムが導入されている。
さらに大量のポリスロイドが、町を警備している。
そんな中で、新たなシステムをもつ学校が作られた。
いじめや犯罪を防ぐ防犯カメラ、防犯用集音マイク、さらに見守り係として、人間そっくりのガードロイドがクラスに一人配置される。
ガードロイドの目を通して、クラスの様子が報告される。
ガードロイドは、一体一体個性を持っていて
顔つきも、性格も違う。
担任にすら、誰がガードロイドかは告げられない。

6年生のマキは、今までの学校の雰囲気がイヤで
この学校に入学した。
1クラス16名。この中の誰かがガードロイドなのだ。
ガードロイド探しは禁止されている。
でも、気になる。
一体誰が機械なのか?

この物語に出てくるガードロイドは
「心」がある。
泣いたり、笑ったり、おこったり、共感したりするのだ。
それは「つくられた心」だ。
でも「つくられた心」と「本当の心」の違いは何なのだろう。
感情のない人間と
感情豊かな表現をするアンドロイドと
どちらが人間らしいのか。

この物語では、すでに町の中はアンドロイドであふれている。
人間の店員のいる店がめずらしく話題になるくらいなのだ。
また、物語の中では詳しくは説明されていないが
ノートや教科書代わりのデジタルデバイスや
スマホが進化したと思われるウェアラブルデバイスなどがさらりと登場する。
こういう一つ一つのものが物語をリアルにしている。
作者の頭の中には、近未来の生活が、しっかり頭に描かれているんだと思う。
多分、町並みも、家の作りも、家電も。

昨夜、11時過ぎに少しだけと思って、本を開いたら、
1ページ目からぐっとひきつけられた。
結局目が離せず、最後まで一気に読んだ。

この「1ページ目でひきつける」というのは
児童書では、とても大事だと思う。
教員時代、図書室でこどもたちを見ていると
こどもたちは、最初の1ページ目で本を読むかどうか決めているからだ。
一瞬にして読者の心をつかむ。
これが大事。
わかっているのに、自分ではなかなかできない技だ。

ラストは、実はわたしはモヤモヤしてる。
このラストが最良であると思うけど
もし、作者さんにお目にかかることがあったら
聞いてみたい。
(それって禁じ手?)

卒園のお祝い

毎朝、犬の散歩のときに会う幼稚園児が何名かいる。
もちろん幼稚園児が一人で歩いているわけではないので
お母さんもいっしょなのだけど。
年少さんのときはお母さんべったりだったり
歩くのがイヤで泣いていたりした子が
少しずつ大きくなってたくましくなっていく様を見るのはとても楽しい。
リードを持ちたいという子もいるので
少しの距離、持たせてあげていっしょに歩いたりもする。
年少のときは犬が怖くて近寄れなかった子が
いつのまにか「おはよう!」と駆け寄ってきてルウの頭をなでたりする。
お母さんたちとも、すこしずつなかよくなって
「犬の飼い方」とか「子どもの育て方」の相談を受けたりする。
朝のほんのわずかの時間なのだけど、
わたしにとっては癒やしの時間だ。

仲よくしている幼稚園児が卒園するときには
わたしの本をプレゼントすることにしている。
お母さんたちは、「作家ですよね」とたずねてくることはないのだけど
本をプレゼントすると
「知ってました。作家さんですよね」
と、たいてい気づいてる。
図書館に顔写真入りのパネルが貼ってあるせいだと思う。

今年の卒園式は15日。
毎日必ず会えるとは限らないので
会えたときに渡せるように準備して散歩に行く。
今年も、無事、プレゼントできた。
男の子には「二年二組のたからばこ」
女の子には「おかわりへの道」
「学校の図書館には、おばちゃんの本がたくさん置いてあるから読んでね」
といって渡す。
毎朝、犬をさわらせてくれたおばちゃんは、
実はお話を書いてる人だったんだよ。

大きくなって
「小さい頃近所に童話作家の人がいて、本もらった」
「あれから本が好きになったんだよ」
そんなことになったらいいなあ。
「近所の童話作家」というフレーズが、わたしのツボ。

一昨年の年末、野間賞のお祝いにアザレアの鉢植えをいただいた。
年末から5月頃まで、次々に花を咲かせてくれた。
花が終わってからも、日に当てたり、水や肥料をやったりしていた。
でも、去年満開だった12月の末になってもいっこうに咲かない。
だめなんだろうか。
半ばあきらめていたら、ようやく咲き始めた。
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蕾もたくさんあるので、当分楽しめそう。

詩集 生きるまほう

ももたろう同人で、詩人でもある清野春風さんが、詩集を出された。
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詩を書くときのペンネームは、清野倭文子(せいのしずこ)。
温かくて、ユーモアのある詩を書かれる。

ご本人の許可を得て、少しだけ紹介。

「こじんめんだんの日」

学校から帰った母ちゃん
プンプンにおこっとった

「人の子のこと
ボロクソにいいおって
一つくらい
ほめるとこがあるだろに
給食の食べかたがはやいとかよう」

それから
いきなりぎゅっと
ぼくをだきしめた

「毎日元気に学校へ行って
あんたはえらい」

母ちゃん気にしなや
学校にも
一つくらい
ええとこあるもんや

給食
うちの飯よりうまい


「静かな桜」

狂ったような嵐のあとに
少しおくれて
桜が咲いた
静かに咲いた

どんなときにも
かならず春が来ることを
伝えたくて
涙をこらえて
そっと咲いた


二つ目の「静かな桜」は、八年前の震災の後
清野さんがHP上で発表されていた。
あの日、津波に奪われた家々を高台から見つめる人たちの横で咲いていた桜は
今もわすれられない。
こんなときも桜は咲くんだと思った。
今も桜を見ると
清野さんの書いたこの詩を思い出す。


「生きるまほう」読んでみたいなと思われる方は
ネット注文か、てらいんくHPまで。
1400円(税別)
てらいんくHP

鳴海風さんの児童文学講座

今日は、知多担当在住の鳴海風さんの児童文学講座に行ってきた。
場所は、半田市立図書館。
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鳴海風さんは、一昨年の課題図書
「円周率の謎を追う」の作者。
主に大人向けの歴史小説を書いている。
しかもテーマは「和算」。江戸時代の数学だ。
「円周率を計算した男」でデビューし、「算聖伝」「和算忠臣蔵」「美しき魔方陣」など書いている。
今日も、主な話題は「和算」
とくに江戸の天才数学者関孝和のことを熱く語っておられた。
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また「円周率の謎を追う」(くもん出版)ができあがるまでの裏話など語られた。

風さんは、慣れているので、お話によどみがなく
あっという間に時間は過ぎた。
なんといっても、もう160回も講演会をなさっているとか。
和算というか数学には興味のないわたしでも
面白く聞くことができた。
日本の数学者、すごいじゃんと
明日誰かに語りたい気分。


昨日、たまたま車で通りかかった公園で
河津桜が満開だった。
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昨日はとても暖かだったので
たくさんの人が、桜を見ながら散歩していた。
春がすぐそこまで来てる。
プロフィール

yamamoto etsuko

Author:yamamoto etsuko
「神隠しの教室」(童心社)で、第55回野間児童文芸賞受賞。「先生、しゅくだいわすれました」「がっこうかっぱのイケノオイ」「ポケネコにゃんころりん」シリーズ、「テディベア探偵」シリーズ、「夜間中学へようこそ」などの著書を持つ児童文学作家。愛知県半田市在住 児童文学同人誌「ももたろう」同人、日本児童文学者協会会員 JBBY会員
〔家族〕 夫 息子その1(人間) 息子その2(人間)、息子その3ルウ(トイプードル) 息子その4モカ(トイプードル)

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