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二歩前を歩く

石持浅海「二歩前を歩く」(光文社)を読んだ。
nihomaewoaruku
Twitterでお知り合いになった方のお薦め本。

家に帰ると決まって、スリッパが移動している男性の話。
道を歩くと、すごい勢いで人からよけられる男性の話。
自家用車のガソリンが、いつの間にか増えている女性の話など
6つの短編が収録されている。
どの話も、小泉という男性が、ちょっとおかしなことがあって…と相談される形で始まる。
そのおかしなことが、上記のような内容なのだ。
ホラーかな、と思ったけれど、そうではなくて「超常現象」の話だ。
小泉は、理系の研究者だ。でも、『ガリレオ先生』のように、科学で解明したりはしない。
「科学で解明されないことはある。そういう場合は、『この現象はまだ説明できない』とすればいい」という考えの持ち主だ。
だから、その現象が起こる科学的な根拠などは一切解く気はない。
あくまで、その現象にはどんなルールがあるのか。
何を目的として、それがおこるのかを推理するだけだ。
ホラーではないのだけど、
相談を持ちかける相手は、大抵小泉には話していない後ろ暗いものがある。
実は、それが、超常現象を起こす原因になっている。
その部分は、オカルトだ。
小泉は、現象のルールを解き明かし、
これは、こういう目的だと思われます。
なぜ、そんなことをするのか、心当たりはありますか? と投げかけて去る。
いわれた本人は、もちろん思い当たる節がある。
自分が過去におかした罪が、超常現象をおこしていたのだ。

短編なので、ささっと読める。展開が速い。
単なるホラーやオカルトとはちがう新感覚の物語。
おもしろかった。
後味は決してよくはないけど。

初読みの作家さんだが、
今度は長編を読んでみたい。
できれば、今回みたいに小泉がなぞをといていくパターンがいいな。
小泉、なかなか魅力的なキャラなのだ。

Twitterには、お薦めの本をツイートしている方が結構いて
おかげで、こんなふうに今まで知らなかった作家さんの作品に出会える。
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プロフィール

yamamoto etsuko

Author:yamamoto etsuko
「神隠しの教室」(童心社)で、第55回野間児童文芸賞受賞。「先生、しゅくだいわすれました」「がっこうかっぱのイケノオイ」「ポケネコにゃんころりん」シリーズ、「テディベア探偵」シリーズ、「夜間中学へようこそ」などの著書を持つ児童文学作家。愛知県半田市在住 児童文学同人誌「ももたろう」同人、日本児童文学者協会会員 JBBY会員
〔家族〕 夫 息子その1(人間) 息子その2(人間)、息子その3ルウ(トイプードル) 息子その4モカ(トイプードル)

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