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忘霊トランクルーム

吉野万理子「忘霊トランクルーム」(新潮社)を読んだ。
boureitoranku
夏休み中、祖母のやっているトランクルームの管理のアルバイトをすることになった17歳の星哉。
場所は湘南。仕事は夕方から夜にかけてのみ。
でも、誰もいないはずのトランクルームには、何人もの人間(?)が暮らしていた。
毎晩現れるひまわり柄のワンピースの女性。モンペ姿の女の子たち。娘に渡すウエディングドレスを運ぶお母さん。結婚直前に婚約者を亡くした男性。
でも、星哉以外の人間には、見えていない。
それは、トランクルームの中のものについている「思い」らしい。
幽霊ではなく、亡霊でもなく、忘霊。
忘れられ、置き去りにされた思いだけが、そこにいる。
そして、終盤、物語は思わぬ方向に転がっていく。

おもしろかった~。
全部で5話にわかれてて、最後の話以外は、それぞれのものにまつわる話なのだけど、どれもおもしろく、一気に読んだ。
マドンナ的に現れる西条さんとの絡みも好き。
でも、一番、印象深かったのは、4話の隣室にいる7歳の少年。
そうか。そうだったのか。つらかったね。苦しかったね。
少年を抱きしめてあげたくなった。

児童書ではないけど、中学生なら十分楽しめると思う。

吉野さん、うまいなぁ。
こんなうまい人とお知り合いなのが誇らしい。


そうだ。もう一つ書いておこう。

この前、児文協の懇親会で、いろいろな出版社の編集者さんとお話ししたのだけど
みなさん、「神隠しの教室」も「夜間中学へようこそ」も読んでくださっていて、とてもうれしかった。
そして、何人かの方は「飛ぶ教室」に載せた「犬がすきなぼくとおじさんとシロ」も読んでくださっていて、感激した。
こういうのって、すごくうれしい。
編集者の皆様、ありがとうございます。
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プロフィール

yamamoto etsuko

Author:yamamoto etsuko
「神隠しの教室」(童心社)で、第55回野間児童文芸賞受賞。「先生、しゅくだいわすれました」「がっこうかっぱのイケノオイ」「ポケネコにゃんころりん」シリーズ、「テディベア探偵」シリーズ、「夜間中学へようこそ」などの著書を持つ児童文学作家。愛知県半田市在住 児童文学同人誌「ももたろう」同人、日本児童文学者協会会員 JBBY会員
〔家族〕 夫 息子その1(人間) 息子その2(人間)、息子その3ルウ(トイプードル) 息子その4モカ(トイプードル)

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