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ある晴れた夏の朝

小手鞠るい「ある晴れた夏の朝」(偕成社)を読んだ。
aruharetanatu
アメリカの高校生たちが、夏休み、4回にわたって公開ディベートを行う。
テーマは「日本における原爆投下」。
肯定派と否定派に分かれて討議するのだ。
メイは、母親が日本人で幼少期を日本で過ごしたが、記憶には残っていない。
父親はアメリカ人だ。
日系人であるということで、このディベートに誘われた。
もちろん否定派としてだ。
物語は、終始ディベートの場面で進んでいく。
生徒たちが調査を進めたり、話あったりする部分は書かれておらず、
読者は、観客と同じ立場で生徒たちの話を聞くことになる。
原爆のみならず、朝鮮戦争、南京虐殺、真珠湾攻撃などについても語られていく。
原爆投下は正当であったのか、否か。

日本人であれば、「原爆は正当であった」と考えるものはいないと思う。
でも、アメリカでは「あれがなければ、被害が広がった。正しい処置だった」と教えられていると聞いていた。
それは、アメリカ側が、原爆という恐ろしい兵器を使ったことを
国民に納得させるためのいいわけだと、わたしはとらえていた。
ただ、こうして理路整然と正当性を述べられると、
もしかしたら……と考え始めている自分がいた。
生徒たちの口から語られる事実は、今まで知らなかったこともあり、改めて戦争というものも異常性を感じた。
そして、原爆の慰霊碑に刻まれた「あやまちは、二度とくり返しませんから」という言葉が、アメリカ人にはこんなふうにとられられるのかということに、衝撃を覚えた。

すごい物語だった。
読み終えて、しばし、呆然としてしまった。
これは、日本のみならず、海外の中高生にも読ませたい。

小手鞠るいさんは、一般文学の作家であるが
児童文学も多く手がけている。
広い視野から、世界平和について語られている。
現在は、アメリカにお住まいだ。

昨年、童心社の担当編集者さんを通して
小手毬さんから「神隠しの教室」の感想をいただいた。
現地の本屋さんに注文し、日本から取り寄せてくださったそうなのだ。
あの小手鞠るいさんが、わざわざ買い求め、それだけでなく感想まで送ってくださったことに、天にも昇る思いだった。

今回「ある晴れた夏の朝」を読んで
こんなすごい作家さんに、感想をいただけたことに、
改めて感動した。
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コメント

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Re: ありがとうございます!!!

すみません!!!お名前を間違えるなんて、なんて失礼なことを! 穴があったら入りたい。

でも、小手鞠さんからメールをいただけるなんて、今、指が震えています。

「ある晴れた夏の朝」は、素晴らしい作品でした。


ああっ!それから、前に「神隠しの教室」のご感想をありがとうございました。

橋口さんから見せていただきました。すぐに印刷し、大切にとってあります。

本当にうれしかったです。

今、ドキドキがおさまらないのですが、

まず、ブログを直します。

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プロフィール

yamamoto etsuko

Author:yamamoto etsuko
「神隠しの教室」(童心社)で、第55回野間児童文芸賞受賞。「先生、しゅくだいわすれました」「がっこうかっぱのイケノオイ」「ポケネコにゃんころりん」シリーズ、「テディベア探偵」シリーズ、「夜間中学へようこそ」などの著書を持つ児童文学作家。愛知県半田市在住 児童文学同人誌「ももたろう」同人、日本児童文学者協会会員 JBBY会員
〔家族〕 夫 息子その1(人間) 息子その2(人間)、息子その3ルウ(トイプードル) 息子その4モカ(トイプードル)

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