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ゆうなとスティービー

堀米薫文・丸山ゆき絵「ゆうなとスティービー」(ポプラ社)を読んだ。
yunatosuteiby
ゆうなの家は、牛を飼う農家だ。ある日、目の見えない子牛が生まれる。
その牛はスティービーと名前をつけられ、
ゆうなも世話をする。
スティービーとゆうなは互いに寄り添うようにして3年が過ぎる。
スティービーが立派な牛になったとき、出荷の日が決まる。

堀米薫は、農業に従事しながら、創作をしている作家だ。
「あぐり☆サイエンスクラブ」や「金色のキャベツ」「チョコレートと青い空」など
農業を題材とした物語をいくつも出している。
今回の作品も、実際に牛を育てている者でなければ書けない物語だと思った。
赤んぼうのころから育ててきた牛を出荷する。
つまり食肉として出すのだ。
「かわいそう」と思う子どももいるだろう。
しかし、ゆうなは「スティービーは、たくさんの人の命になって、ずっといっしょに生きていく」と誇らしい思いで空を見上げる。
そこには、両親から受け継がれた「食(命)を支えるものとしての誇り」がある。

今回絵を担当した丸山ゆきは、「神隠しの教室」のイラストレーターでもある。
いとうみくの「二日月」でもイラストを描いているけれど
どちらも高学年ものなので、絵は少ない。
それに対して、絵本は絵が重大な役割を担う。
きっと大変な作業だったことだろう。
全く知らない酪農の世界。
なおかつ、この素晴らしいお話を生かす絵でなくてはいけない。
プレッシャーも大きかったに違いない。
でも、そんなとまどいを微塵も感じさせない素晴らしい絵だった。
特に子牛が生まれてくる場面、みなさんにお見せしたい。
母牛の息づかいや、もわんと熱くなった牛舎の空気、鳴き声まで感じる。
それから、雪の日の絵や、最後ゆうなが空を見上げているる場面の絵も好き。

丸山さん、頑張ったねえ。
1年もかけてかいただけあるよ。
すごい! おめでとう!
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プロフィール

yamamoto etsuko

Author:yamamoto etsuko
「神隠しの教室」(童心社)で、第55回野間児童文芸賞受賞。「先生、しゅくだいわすれました」「がっこうかっぱのイケノオイ」「ポケネコにゃんころりん」シリーズ、「テディベア探偵」シリーズ、「夜間中学へようこそ」などの著書を持つ児童文学作家。愛知県半田市在住 児童文学同人誌「ももたろう」同人、日本児童文学者協会会員 JBBY会員
〔家族〕 夫 息子その1(人間) 息子その2(人間)、息子その3ルウ(トイプードル) 息子その4モカ(トイプードル)

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