FC2ブログ

ぼくらの一歩30人31脚

いとうみく「ぼくらの一歩 30人31脚」(アリス館)を読んだ。
30nin31kyaku
6年生の2学期という中途半端な時期に転校してきた萌花。
なじめるかなと不安な気持ちで教室に入ったとたん歓声が上がる。
救世主扱いなのだ。
というのも、「30人31脚」の大会に出るためにどうしても一人足りなかったからだ。
当然、萌花も参加するといわざる得ない状況なのだが、大きな問題が。
萌花は、超鈍足なのだ。
悩める救世主萌花の第一章。
第二章は、しっかり者の副キャプテン中谷琴海の物語。
萌花を特訓するキャプテンの克哉は幼なじみ。
小さいころに母親を亡くした克哉。
それまでは泣き虫だったのに、涙を見せなくなった克哉。
誰よりも克哉を知っている。
30人31脚をやりたいといったのは琴海で
そのために萌花を特訓してくれているのはうれしいことなのに
でも、ちょっと腹立たしい。
第三章は、克哉の物語。
実は、克哉にはみんなに秘密にしていることがあった。
30人31脚が終わったら、転校するのだ。
だからこそ、最後は精一杯走りたいと思っていたのに……。

30人31脚の大会に望む
三人三様の思い。
どれを読んでも共感できてしまった。
萌花の章を読めば、どうして萌花が頑張ることが出来たか
すごく納得できた。
ただ、反面「こりゃあ、女の敵を作るな」とも感じたので
琴海の章で起こる出来事に「ほ~らね」と思った。
琴海のヤキモチと、でもそれを認めることが出来ないところ。
ついお利口さんな受け答えをしてしまったり
「自分がみんなを支えてる」的な思い込みを打ち砕かれてへこむところは
痛いくらいにわかった。
でも、何よりも最後の30人31脚の大会の結果が描かれる克哉の章は、よかったぁ。
大会を前に、クラスの仲間たちが変わっていく様にワクワクした。
そして大会の緊迫感ときたら……!
最後は、泣けた。

若干、みんな6年生より大人っぽいなと思ったけど
それは、わたしの知ってる田舎の(!)6年生が超おこちゃまのせいかもしれない。


今年の野間児童文芸賞は
安東みきえさん「満月の娘たち」(講談社)
mangetu
このブログでも取り上げたことがあるが
納得の受賞だ。
おめでとうございます。
スポンサーサイト

コメント

Secret

プロフィール

yamamoto etsuko

Author:yamamoto etsuko
「神隠しの教室」(童心社)で、第55回野間児童文芸賞受賞。「先生、しゅくだいわすれました」「がっこうかっぱのイケノオイ」「ポケネコにゃんころりん」シリーズ、「テディベア探偵」シリーズ、「夜間中学へようこそ」などの著書を持つ児童文学作家。愛知県半田市在住 児童文学同人誌「ももたろう」同人、日本児童文学者協会会員 JBBY会員
〔家族〕 夫 息子その1(人間) 息子その2(人間)、息子その3ルウ(トイプードル) 息子その4モカ(トイプードル)

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR