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ごきげんな毎日

いとうみく「ごきげんな毎日」(文研出版)を読んだ。
gokigennamainichi
庭付き一戸建て3LDKの家に引っ越してきて
ご機嫌に過ごしていたぼく、喜一。
ところが、長野で一人暮らしをしていたおばあちゃんが
いっしょに暮らすことになった。
喜一の部屋はおばあちゃんの部屋に。
久しぶりに見たおばあちゃんは、ずいぶんイメージが変わっていた。
花柄のワンピースで、ピザやフライドチキンもパクパク食べて
「おばあちゃんじゃなくて、きわ子さんとよんで」なんて。

おばあちゃんと同居するお話といえば
いじわるで変わったおばあちゃん。
最初は反発するけど
じょじょに心を通わせるようになって
これからは、みんな家族だよ、チャンチャン。
が、定番。
でも、そんな話をいとうみくが書くはずはない。
さて、どんな展開を見せてくれるのだろうか。
ワクワクして読んだ。

うん、さすがだ。
想像を、軽~く超えてきた。
なんて楽しく、気持ちのいい物語だろう。

いとうみくの書くおばあちゃんは
本当に生き生きしていて、リアルだ。
最初は、「奇抜なおばあちゃんなのかな」と読んでいたのだが
そうではない。
これは、現実にいるお年寄りだ。
「うちのおばあちゃん、変わってるんだ」と話す喜一が友だちに指摘されている。
「どんなばあちゃんを想像していたんだよ。もしかして、昔話にでてくるばあちゃんとか?」
喜一が頭に描いているのは、古いおばあちゃん像だ。
そして、こういうおばあちゃん、今だに物語の中ではよく登場する。
だって、そのほうが「お年寄りっぽい」から。
編集者さんですら
「おばあさんなので、口調は、“あたしゃ”とか“~じゃろ?”とかの方がわかりやすくないですか?」
とか言ったりする。
おじいさんなら「わしは~なんじゃよ」みたいな口調を求められたり、
趣味は盆栽とか将棋なんじゃないですか? みたいな。
みんなの頭の中の「お年寄り像」を押しつけられたりする。
けど、実際のお年寄りは、そんなんじゃない。
自分のことを「お年寄り」とも思っていないと思う。
「少し年を重ねた大人」だ。
きわ子さんのように、生き生きと自分の人生を生きている。
人生はいくつになっても楽しい。
希望に満ちている。
ごきげんな未来が待っている。
そういう姿を、子どもたちに見せることも
児童文学の使命かもしれない。
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プロフィール

yamamoto etsuko

Author:yamamoto etsuko
「神隠しの教室」(童心社)で、第55回野間児童文芸賞受賞。「先生、しゅくだいわすれました」「がっこうかっぱのイケノオイ」「ポケネコにゃんころりん」シリーズ、「テディベア探偵」シリーズ、「夜間中学へようこそ」などの著書を持つ児童文学作家。愛知県半田市在住 児童文学同人誌「ももたろう」同人、日本児童文学者協会会員 JBBY会員
〔家族〕 夫 息子その1(人間) 息子その2(人間)、息子その3ルウ(トイプードル) 息子その4モカ(トイプードル)

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